ガルシニアはよく脂肪燃焼のためのサプリメントとして紹介される植物です。減量をしている方や痩せたい!という方にとっては注目のものでしょう。

この記事では、ガルシニアの働きとHCA(ヒドロキシクエン酸)の効果、カフェインとの組み合わせによる作用等を詳しく説明していきたいと思います。

この記事のポイント

・ガルシニアはHCAとガルシノールの二つの成分を含む

・HCAには脂肪燃焼を促す効果がある。

・ガルシニアとカフェインの組み合わせは特に意味がない

・推奨摂取量は一日0.5~1.5g

ガルシニアの成分と減量効果

脂肪燃焼効果を期待できます。

ガルシニアの正式名称はガルシニア・カンボジアで、南アジア、東南アジア一帯で多く自生している植物です。

ガルシニアの有効成分としては、主に二つあり、それぞれに役割があります:

HCA(ヒドロキシクエン酸)

・ガルシノール

それぞれの働きを見ていきましょう。

HCA(ヒドロキシクエン酸)

脂肪の燃焼を促進する

ヒドロキシクエン酸の注目されている効果の一つは、脂肪の合成を抑えることで、脂肪の燃焼を促す働きにあります。

身体に取り込まれたグルコース(ブドウ糖)は、エネルギー変換に利用されます。

しかし、カロリー摂取量が多かったり、脂質の摂取量が多い場合、余ったブドウ糖は肝臓へ肝グリコーゲンとして蓄えられます。

その上さらに肝臓もグリコーゲンで満タンになった場合、ブドウ糖は脂肪に変わってしまいます。

ヒドロキシクエン酸は、そのブドウ糖が脂肪に変わるプロセスに必要な酵素(ATPクエン酸リアーゼ)の働きを阻害し、エネルギーとしての変換を促す働きがあります。

つまり、脂肪の合成する酵素の働きを妨げてくれる、という事です。

空腹を抑制する

ヒドロキシクエン酸には、肝グリコーゲンを蓄える働きがあります。肝グリコーゲンの貯蓄が十分であると、良い事があります。

血中グルコース濃度が下がった時、一定に保つ働きがある

食事をすると、当然血糖値(血中グルコース濃度)は上がり、時間と共にインスリンの分泌によって下がっていきます。下がっていくと次第に空腹を感じ、何かを食べたいという欲が出てきますよね。

つまり、ヒドロキシクエン酸は血糖値を一定に保つ働きを促進することで、空腹になりにくい状態を体の中に作ってくれるのです。

コレステロールを減少する

ガルシニアには、血中のコレステロールを減少させる効果も見られており、成果る習慣病予防などに役立つことが考えられています。

勿論、コレステロール値が正常な場合には下げることなく、体の働きを保ってくれます。あくまで体内のレギュレーターとしての機能を果たしてくれます。

ガルシノール

ガルシノールには、抗酸化作用や抗炎症作用などがあります。

細胞の劣化や傷つくのくを防ぎ、コルチゾールの分泌を抑えたり、老化の原因となる過剰な活性酸素を抑制する働きがあります。

カフェインとの組み合わせ?

カフェインとの相乗効果はあるのでしょうか?

「ガルシノールはカフェインとの組み合わせが良い」と耳にしたことがありますが、現状では論文・研究結果としてカフェインとの組み合わせに関して言及されたものはありません

かろうじて、あるラットを対象にした研究が、カカオ・カフェイン・緑茶・ガルシニアの混合物を使用したところ、脂肪代謝を刺激した、との結果を報告しています。

果たしてカフェインとガルシニアに相乗効果があるのかが不明な研究ですが、ポリフェノールの混合物としては効果があるのかもしれません。

しかし、人間を対象にした研究・実験は成されていないため、あまりカフェインとガルシニア(HCA)を一緒に摂る事を意識する必要はないと言えます。

ガルシニアが効果的な人

・ダイエットをしたい人

・減量を行っている人

・ダイエットや減量がマンネリ化している人

・停滞期に入ってもう一絞りしたい人

・あまり脂肪をつけずに増量したい人

など、ガルシニアの脂肪の燃焼という働きを効果的に使う事ができれば、どのような人にもお勧めできます。

摂取量とサプリメントの選び方

どのようなサプリメントを、どの位摂取すれば良いのでしょうか。

厚生労働省の「ガルシニア抽出物を継続的に摂取する健康食品に関する情報提供について」を参考にすると、一日当たり0.5~1.5gのHCAの摂取が推奨されています。

逆に副作用として、男性の場合では、ラットによる実験で精巣の縮小が確認されています。また、稀に吐き気や頭痛の原因になる事もある事が報告されているため、サプリメントからは2g以上は摂らないようにしましょう。

サプリメントに関しては、たまに安いものでガルシニアパウダーを謳って実は他の成分も入っている、という事があります。

成分表示のあるもので、ガルシニア(HCA)の分量が十分、もしくは純粋な抽出液・パウダーであるものを選べば、基本的には問題ありません。iherbやAmazonから購入することができます。

まとめ

ガルシニアは、かなりマイナーな脂肪燃焼成分としてダイエット界隈に潜んでいますが、科学的な体内プロセスなどが明らかになっているため、試験的に使ってみる価値はあると思います。

特に、「他の脂肪燃焼サプリメントを試しているのに、全然体重が落ちない!」と嘆いている人は、変化をつける意味でも試してみるのはアリです。

勿論、運動と食事管理をしっかり行っている事は大前提です。基礎ができている上での脂肪燃焼サプリメントであることを心得ておきましょう。

記事の要点

・ガルシニアはHCA(ヒドロキシクエン酸)とガルシノールから成る

・HCAは、脂肪合成の阻害・空腹の抑制・コレステロール値抑制など、脂肪の燃焼にポジティブな影響を及ぼす

・HCAのサプリメントからの摂取目安は一日0.5~1.5g

参考文献

  1. The Use of Garcinia Extract (Hydroxycitric Acid) as a Weight loss Supplement: A Systematic Review and Meta-Analysis of Randomised Clinical Trials. Journal of Obesity.
  2. Beneficial effects of cocoa, coffee, green tea, and garcinia complex supplement on diet induced obesity in rats. BMC Complementary & Alternative Medicine.
  3. 厚生労働省(2002)「ガルシニア抽出物を継続的に摂取する健康食品に関する情報提供について」