フィセチンは植物に含まれるポリフェノールの一種で、様々な効果が研究によって期待されています。人間における臨床実験がまだ少ないために、まだフィットネス・医療業界でも注目され始めたばかりの成分です。

フィセチンと植物抽出

こんにちは、健康オタクのプララです。

フィセチンという成分を聞いたことがあるでしょうか。

フィセチン自体はだいぶ前から知られている植物由来の成分でしたが、最近になって研究によって注目されるようになってきました。

ポリフェノールとして知られる植物由来の苦味成分は、フィットネス業界や医療界隈でも摂取を推奨している非常に健康効果が高く、種類も多岐に渡ります。

例えばレスベラトロール緑茶抽出物ケルセチンコーヒー酸アントシアニン(黒大豆の皮のシアニジン-3-グルコシド等)、最近非常に注目されているクルクミン等が挙げられます。

実は、フィセチンもこのようなメジャーなポリフェノールに負けない位の効能を持っている可能性があるのです。

フィセチンの効果

サプリメント

フィセチンはポリフェノールの一種で、多くのポリフェノールがそうであるように、体内で多くの働きをする事が示唆されています。

問題になるのは、800以上の研究がこれまで成されているのにも関わらず、人間に関連したものはたった1つしかないという事です。殆どがラットやマウスを対象にしたものという事になります。

それでも、以下に挙げるような効能が人間に適応される事を考えれば、これからの研究の進展に非常に期待を高める事ができるのではないでしょうか。

脂肪燃焼効果

マウスを対象とした実験で、高カロリー食にフィセチンを加える群と加えない群での体重の増加を実験したところ、フィセチンを摂取したマウスは75%少ない体重増加が見られたようです。

この効果は、フィセチンが脂肪燃焼ホルモンとして知られるアディポネクチンの分泌を促進させるためだと考えられています。

血糖値のコントロール

糖尿病のラットとマウスにフィセチンを付与したところ、インスリンと血糖値が正常な値まで回復したとの研究結果が得られています。

また、糖化反応と呼ばれる、糖とタンパク質が結びつく過程を妨げる事で、神経ダメージや腎臓病、白内障、組織の老化等の悪影響から体を守る効果も示唆されています。

がんの進行阻害

クルクミンと同じように、フィセチンは様々ながんにな対して効果を発揮するようです。特に結腸や脳、肺、胸部、子宮、膵臓、前立腺などのがんに対して阻害反応を示すようです。

前立腺がんに関しては、ジヒドロテストステロンの受容体を遮断させる事でがん細胞の浸食を抑えるようです。

神経変性疾患の改善

アルツハイマー病やハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症などの様々な硬化症の動物モデルにおいて、フィセチンは記憶やバランス感覚、筋協調性や寿命等の側面の改善を促した事が研究で示唆されています。

老化防止

フィセチンは老化細胞の死滅・除去を促進する事で、体内で老化細胞が留まる事によって起こる炎症作用や寿命短縮作用を妨げる可能性が研究によって示されています。

その他の健康効果

  • 記憶と学習能力の改善
  • UVからの肌の保護
  • うつ病や不安疾患の改善
  • 血糖値の下降
  • 過敏性腸症候群の緩和

体内での働き

多くのポリフェノールに見られる特性と同様、フィセチンは抗酸化物質であり、体内での酸化作用を抑制する働きがあります。その結果として、老化防止や抗炎症作用等の様々な効果が呼び起こされているのです。

もう一つには、NF-κBと呼ばれる、炎症作用を引き起こすタンパク質複合体をフィセチンが阻害することで、がんやアレルギー、自己免疫疾患などから体が保護される仕組みが作られています。

更に、フィセチンは細胞のスイッチのような役割をするmTORに影響を及ぼします。

トレーニング後の高いレベルのmTORは筋肉の発達に良い影響を与えますが、持続的に高い状態が続くと、様々な病気の発現に関与する可能性があります。そんなmTORの管理をしてくれるのがフィセチンです。

フィセチンと安全性

今のところフィセチンにはネガティブな影響は見られず、良い側面しかないようです。

例えかなりの高摂取量であっても、動物実験では全く問題が無かったことが報告されています。

しかし、まだ人間における実験や研究が少なく、よく知られていな物質であるのも確かなため、妊娠中の方や子供は摂取に気を付けた方が無難でしょう。

フィセチンを多く含む食品と摂取量

イチゴ

フィセチンの含有量が調べられている食品の中では、イチゴが最も多くフィセチンを含んでいるようです。

摂取量の目安についての研究が成されていないため、どの程度摂取すれば良いかはまだ不明です。しかし、がん患者において行われた研究では、フィセチンの投与量は100㎎で患者の体内での炎症への効果が現れています。

イチゴ1gにつき160㎍のフィセチンが含まれてるため、フィセチンを100㎎摂取するためには、

100㎎=100,000㎍÷160㎍=625g

となるため、大きさにもよりますが、イチゴ20~30個ほど食べる必要があります。

他にフィセチンが含まれている食品としては、

  • リンゴ(27㎍/g)
  • 柿(11㎍/g)
  • レンコン(6㎍/g)
  • 玉ねぎ(5㎍/g)

など、それなりに日常的に食べる事ができる食品が多いため、積極的に食べるように心がけても良いのでは無いでしょうか。

ポリフェノールは総じて吸収が良くないため、フィッシュオイルやオリーブオイル等の油分と共に摂取することで吸収を良くしてあげましょう。

もしくは、研究の進歩によって、クルクミンとピペリンの組み合わせのように、体内への吸収を改善するような発見が成されるのも時間の問題かもしれませんね。

フィセチンのまとめ
  1. フィセチンはポリフェノールの一種で、抗酸化作用・抗炎症作用を持つ。
  2. 血糖値のコントロールや脂肪燃焼がんの進行阻害など多くの効能が期待されている。
  3. 安全性は高く、イチゴやリンゴに多く含まれるが、研究がまだ少ない。