テストステロンを増やしたい?理由はどうあれ、テストステロン値は健康にも、男性らしさ、女性らしさをキープするのにも大切なホルモンです。
この記事では、どんな食べ物がテストステロンを増やしてくれるのか、選りすぐった26の食べ物・食品群をご紹介します。
そもそもテストステロンって何?という方は、「テストステロンとは?男性ホルモンの生産と役割」で説明しています。
テストステロンを増やす食べ物30種類
1.牡蠣
- 亜鉛・マグネシウム等のミネラル
- D-アスコルビン酸
- ビタミンD
牡蠣は、一食当たりの亜鉛の含有量が食品の中でずば抜けています。
亜鉛はテストステロンを増やすことでよく知られていますが、その他にも牡蠣にはマグネシウム、セレン、銅、ビタミンDといった、テストステロン生成に関わる栄養素が詰め込まれているのです。
また、牡蠣にはD-アスパラギン酸と呼ばれる、テストステロン値を上昇させる働きのあるアミノ酸も含んでいます。
2.ザクロ
- 抗酸化物質
- ビタミンC
- 食物繊維
ザクロは日本ではそれほどメジャーな食べ物ではありませんが、非常にヘルシーな食品の一つです。
ザクロを対象にして行われた研究では、唾液中のテストステロン値が24%向上したという結果の他、血圧低下とコレステロールの酸化ダメージ低下を引き起こす等、テストステロン値の促進効果と同時に健康の改善効果も報告されています。
また、ザクロから抽出された物質の中に、エストロゲンの生成を抑える働きがあるものも発見されています。
女性ホルモンであるエストロゲンと、男性ホルモンであるテストステロンは、二つともコレステロールから生成される、元を同じくしたホルモンです。ですから、エストロゲンの生成が抑えられることによって、テストステロンの生成に供給することできるコレステロールの量が増え、結果的にテストステロン値が増える、という仕組みになります。
3.植物性ミルク
- ビタミンD、E
- 食物繊維等
ビタミンDは、テストステロンを効果的に増やす栄養素である事が、様々な研究で示されています。そのビタミンDを多く含む飲み物として、植物性のミルクが挙げられます。
例えば、豆乳はビタミンD以外にも鉄分や食物繊維、植物性のタンパク質の供給源にもなります。
たまに耳にするのは、「大豆はテストステロン値を下げる」という意見ですが、多くの研究が大豆はテストステロン値に影響しない、という事を言っているので、心配する事はありません。
他にもアーモンドミルクも、良質な脂質を含んでいておススメです。
4.アブラナ科の植物
- インドール3カルビノール
- ビタミン
アブラナ科の野菜?と疑問に思われる方もいるかもしれません。アブラナ科の野菜にはインドール3カルビノールと呼ばれる、エストロゲンの働きを抑え、テストステロンの生成を間接的に増やす物質が含まれている事が分かっているのです。
アブラナ科の野菜とは:
などなど、日常的に見る野菜ばかりです。
どれか一種類でも良いので、毎日食べる事を意識するとテストステロンの分泌に良いでしょう。
インドール3カルビノールについて詳しくは「インドール3カルビノールの効果とエストロゲン」で解説しています。
5.オリーブオイル
- 抗酸化物質
- 一価不飽和脂肪酸
- オレウロピン
オリーブオイルはテストステロンブースターであり、健康的な油脂の代表です。
男性を対象に、2週間の間油の摂取をオリーブオイルに変えたところ、テストステロン値が17%上昇したという研究結果があります。
この理由としては、
- 脂質構成のバランスがテストステロンの生成に最適だから(一価不飽和脂肪酸73%、飽和脂肪酸14%、多価不飽和脂肪酸13%)
- 抗炎症作用があるから
- 抗酸化物質を非常に多く含んでいるから
などが考えられます。
テストステロンの生成向上に関わる脂質は、飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸で、多価不飽和脂肪酸は逆にテストステロンのレベルを下げる事が多いようです。
ですから、一価の多いオリーブオイルはテストステロンの生成に向いていると言えるでしょう。
更に、オリーブオイルにはオレウロピンという、テストステロン値を上昇させる可能性がある物質も含まれているのです。
オリーブオイルには様々な種類がありますが、できればオーガニックで、他に混ぜ物が入っていないエクストラバージンオリーブオイルを選ぶのが良いでしょう。
6.玉ねぎ
- ファイトケミカル
- 抗酸化物質
白玉ねぎ、赤玉ねぎ、紫玉ねぎ等多くの種類はありますが、どの玉ねぎにも抗炎症作用のあるファイトケミカルと、抗酸化物質が多く含まれています。
その中にもアピゲニンやケルセチンといった、テストステロン値を上げる事が期待される物質があります。
多くの動物実験では、玉ねぎはテストステロンの分泌を増やすことが報告されており、中にはテストステロン値が3倍に跳ね上がったという研究結果も出ています。
人間に同じことが言えるかわかりませんが、増やす可能性がある事は明白です。日常的に料理に使う事ができる食材ですので、是非毎日食べてると良いと思います。
7.マカデミアナッツ
- 不飽和脂肪酸
- 飽和脂肪酸
食材から摂れる油は、テストステロン値を上昇させる効果があります。ナッツも脂質が多い事で有名ですね。しかし、全てのナッツが良いとは限りません。
テストステロンの生成向上に関わる脂質は、飽和脂肪酸(以下飽和)と一価不飽和脂肪酸(以下一価)で、多価不飽和脂肪酸(以下多価)は逆にテストステロンのレベルを下げる事が多いようです。
残念ながら、殆どのナッツは多価不飽和脂肪酸が多く含まれています…。
反面、マカデミアナッツは、100g中に約70gの脂質が含まれており、そのうち60gが一価、13gが飽和、そしてたった2gほどが多価から成るのです。
ナッツを食べるなら、マカデミアナッツで決まりですね。
8.パーム核油
- ビタミンE
- 飽和脂肪酸
パーム油、と言われるとなじみ深いですが、パーム核油はヤシの種子から摂った油の事で、違うものです。
その殆どの脂質は飽和(80%)で、多価は非常に少ないのです。オリーブオイルの所でも説明したように、多価は男性ホルモンを抑制します。更に、脂質の過酸化を招き、体の酸化にも繋がります。
パーム核油にはビタミンEが豊富に含まれており、多価の活性酸素によるダメージを弱め、テストステロンの上昇に貢献します。
9.ゼラチン
- グリシン
- プロリン
ゼラチンは、アミノ酸であるグリシンとプロリンの頼もしい供給源です。
最近では、肉類の筋肉や脂肪の部分が好んで食べられ、腱や関節などの結合組織、骨、内臓などは避けられる傾向にあります。
結果、現代人はアミノ酸であるトリプトファンとシステインを摂りすぎ、プロリンとグリシン(重要な神経伝達物質)がほとんど摂れていない、という状況です。
神経伝達物質のバランスが良ければ、睡眠の質が上がり、ホルモン信号も改善されます。良い睡眠は、良いホルモンバランスにも繋がる上、ストレスを改善することでコルチゾール値の上昇も抑える事ができます。
10.コーヒー
- カフェイン
- 抗酸化物質
コーヒーは言わずもがな、カフェインが含まれており、神経系を刺激して気分を引き上げる効果があります。その上、カフェインにはcAMP(環状アデノシン一リン酸)を増加させる事で、テストステロンの分泌を促進させます。
勿論コーヒーにはコルチゾールのレベルを上昇させる効果もあります。コルチゾールはテストステロンと筋肉に悪影響を及ぼすことで悪名高いですね。
しかし、コーヒーによるコルチゾールの増加は一時的な短い時間であり、テストステロン値に影響を与えるほど長い時間放出されるようなものではありませのでご心配なく。
抗酸化物質も多く含まれていますし、カロリーもほぼ0といってよいでしょう。飲まない理由が見つかりません。
11.ブラジルナッツ
- セレン
日本ではあまり見かけないブラジルナッツは、実はナッツではなく種子です。
先ほど紹介したマカデミアナッツほど脂質のバランスはよくありませんが、ブラジルナッツのすごいポイントは、セレンの含有量が恐ろしく多い事です。
セレンは、グルタチオンと呼ばれるアミノペプチドを刺激する作用によって、テストステロンの生産に貢献します。
12.レーズン
- 抗酸化物質(レスベラトール等)
- ボロン
レーズンにも、テストステロンブースターとなる栄養素が多く含まれています。
抗炎症作用のある抗酸化物質が入っていて、例えばレスベラトールです。レスベラトールはいくつかの研究でエストロゲンの値を下げ、テストステロン値を引き上げる役割があると報告されています。
また、100gのレーズンの中には、ボロンと呼ばれるミネラルが3㎎ほど含まれています。ボロンも同じく、テストステロン値を上昇させる効果が期待されています。
毎日のおやつはレーズンとマカデミアナッツ、ブラジルナッツの組み合わせが最高でしょう。
13.パセリ
- アピゲニン
パセリに中には、アピゲニンと呼ばれる物質が存在している事が判明しています。
アピゲニンは人間の体内でStARと呼ばれるタンパク質を睾丸中のライディッヒ細胞内で増やす働きがある事が研究で判明しているようです。
StARは結合型のタンパク質で、コレステロールを陰嚢内のミトコンドリアへと運び、遊離型テストステロンへと変換する手助けをするのです。
つまり:パセリを食べる→StAR放出がされる→コレステロールから遊離型テストステロンの変換効率がUP→遊離型テストステロンが増える
遊離型テストステロンは、結合型よりも恒常的活性が強いため、より重要なテストステロンが増える、という事ですね。
14.カカオ製品
- ポリフェノール(抗酸化物質)
- ミネラル
- PEA等
カカオやチョコレート製品も同じくポリフェノール等の抗酸化物質が非常に多く含まれている事で有名な食べ物ですね。
マグネシウムや亜鉛、鉄、銅などのミネラルも豊富であり、脂肪酸もテストステロン値増加に良いバランスです(飽和55~60%、一価35~40%、多価2~5%)。
しかし、カカオを摂取するなら加熱した状態ではなく、生の状態で食べる方が良いようです。心疾患予防や血圧改善、血糖値低下などの効果が期待できるうえ、PEA(フェニルエチルアミン)という物質が食欲抑制にも効果があり、ダイエットにも利用できます。
15.卵
- バランスの良いアミノ酸
- ビタミン
- コレステロール
卵はアミノ酸の割合が完璧だ、と言われるほどアミノ酸のバランスが人間にとって良いようです。
また、『完全食』の名で通っているように、ビタミンC以外のすべてのビタミンを含んでいます。
脂質の割合も良く(飽和40%、一価45%、多価15%ほど)、何よりテストステロン生成の元手となるコレステロールの含有量が多い事が特徴です。
※コレステロールは健康に悪いというイメージがあるかもしれませんが、既に研究によって、毎日卵を食べても健康に悪影響は及ぼさないと証明されています。
その他卵の詳しい解説は「卵の栄養解説。筋トレ・ダイエットには効果があるのか?」でしています。
16.アルガンオイル
- 抗酸化物質等
アルガンオイルは、アルガンツリーと呼ばれる植物の種子から抽出される、地中海食でよく使われる油です。
先ほどオリーブオイルがテストステロン値を向上したと言いましたが、同じ研究で、アルガンオイルもテストステロンの値を20%ほど上昇させる働きがある事が判明しています。
抗酸化物質も豊富ですし、脂肪酸の割合もそこそこに良い。オリーブオイルと使い分けると良いでしょう。
17.アボカド
- 一価不飽和脂肪酸
- ビタミン(特にB6、C、E、K)
アボカドは実は果物の一種ですが、他の果物と違って、77%のカロリーが脂質から成っているのです。
先ほども言いましたが、食事からの脂質の摂取はテストステロンの生成に直接的に関わっおり、特に飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸がテストステロン値を上昇させます。
アボカドの脂質組成は、一価が70%ほどと、非常にテストステロンブーストに適したバランスです。
更に、アボカドには多くの水溶性・脂溶性ビタミンが含まれており、同じくテストステロン値のバランスには欠かせない栄養素も補ってくれます。
18.マッシュルーム
- 多糖類
- エストロゲン抑制物質
ピザのトッピングで有名なマッシュルーム。水分ばっかりでいい事ないだろ、と思いますか?僕もそう思っていました。
マッシュルームには多糖類が多く含まれ、多くの研究でテストステロンをエストロゲンに変えるアロマターゼ酵素のを阻む役割を持っていることが示されています。
他のキノコ類のエストロゲン抑制作用についても研究はありますが、マッシュルームがベストのようです。
19.ベーキングソーダ
炭酸水素ナトリウムの通称であるベーキングソーダ(重曹)は、運動能力の改善効果があるとされています。
ベンチプレスやスクワットのパフォーマンス向上や、高強度トレーニングへの適応、クレアチンの吸収補助等、様々な効果が研究で報告されています。
また、cAMPのレベルを引き上げる効果もある事が分かっています。cAMPは先ほども出てきましたが、タンパク質キナーゼAを活性化させ、細胞とホルモンの間で伝達係として働くことでテストステロンの生産を増やす物質です。
20.ヨーグルト
ヨーグルトと言えば、発酵食品であり、腸内細菌や他の微生物が多く存在している事で有名ですね。実は、その微生物がテストステロンの生産に影響を与えるようなのです。
例えば、動物実験において、乳酸菌の一種であるラクトバチリス・ロイテリ菌は遊離型テストステロンを増加させただけではなく、黄体形成ホルモンレベルや睾丸の重量を増やした、という結果が報告されています。
他の研究でも、腸内環境の改善によってテストステロンの生産能力が向上したという結果が多く報告されているため、腸内環境は非常に重要な要因の一つと考えられます。
そうなると、ヨーグルトを筆頭に、納豆や醤油、塩辛、キムチ、漬物、チーズ等様々な発酵食品が利用できることになります。日本は発酵食品大国ですね。
21.ビーフジャーキー
牛肉は非常に良いアミノ酸バランスを持ち合わせており、同時に脂質の割合も飽和脂肪酸が多く、テストステロンの生産に関して右に出るものはなかなかいないタンパク質源です。
ビーフジャーキーは、そんな牛肉を手軽に食べる事のできるスナックですから、間食に何を食べるか迷ったときは一つの選択肢になると思います。
22.ひき肉
牛ひき、豚ひき、合い挽きなど何でも良いですが、飽和脂肪酸とタンパク質の塊です。何回も言っていますが飽和脂肪酸はテストステロンを生産するのに必須です。
ひき肉の良いところは、確実に脂質が摂れる上、調理方法・レシピが沢山あるからです。ハンバーグにすることもできますし、炒め物や詰め物、スープやサラダにも応用が利きます。
しかも、スーパーでは比較的安く売っているため、お財布にも優しい。最小限の出費から最大限のテストステロン効果を引き出しましょう。
23.ベリー類
- 抗酸化物質(アントシアニン等)
- カルシウムDグルカレート
ベリー類、特に色の濃いブルーベリーやブラックベリーなどには、非常に多くの抗酸化物質が含まれています。ブルーベリーに含まれるアントシアニンなどは、目の保養に良いポリフェノールで有名ですね。
抗酸化物質が多ければ多いほど、体内での炎症や酸化ダメージは抑えられ、テストステロンを増やしやすい環境になります。ベリー類はカロリーも低いため、毎日の食事にも取り入れやすいのが魅力です。
更に、ベリー類にはカルシウムDグルカレートと呼ばれる食物繊維が入っており、過剰なエストロゲンを取り去る働きがある事が期待されています。
24.ココナッツオイル
ココナッツオイルに関しては非常に多くのポジティブな意見がありますが、実際のところ、健康的なオイルのようです。
研究では、認知能力の改善、テストステロン値の生産増加、甲状腺ホルモンの増加、代謝向上などその他多くの効果が報告されています。
殆どの脂質が飽和脂肪酸から成っているのも評価ポイントです。
25.ニンニク
ニンニクの欠点は匂いですが、ビタミンCと一緒に摂る事で一酸化窒素の値を二倍にも増やすことができるという研究が報告されています。一酸化窒素はトレーニング中の筋力・パフォーマンスに重要な要素ですから、プリワークアウトとしても働くことができるという事です。
動物実験では、高タンパク質の食事の場合、ニンニクを摂取した後、テストステロン値の向上とコルチゾールレベルの下降が同時に見られたようです。
ニンニクの何が影響をするのかはまだ不明確ですが、ケルセチンや、抗炎症作用、抗酸化作用、血管拡張作用など多くの働きが原因として考えられます。
まとめ
さて、今回紹介したほとんどの食品は日本のスーパーやオンラインショッピングで購入する事ができます。
全てを摂取すれば良い、というわけではありません。
しかし、このような食品を意識して買ってみたり、料理を作ってみたりする事で、テストステロンを効率的に増やすことができます。その際に、この食品リストが参考になれば幸いです。
食品以外のテストステロンの増やし方については、「テストステロンを自然に増やす老若男女に効果的な8つの方法」で紹介しています。ご参考にどうぞ。
では、また。