ボディビルやフィジーク等の大会に出るトレーニーの方であれば、必ず訪れる「減量期」。その際に、殆どの人が経験するであろう代謝の低下、それに続く消費カロリーの減少。代謝が落ちる事によって脂肪の燃焼が妨げられるため、減量やダイエットの大きな問題となる事です。
この記事では、代謝の低下を改善、もしくは最小限に抑えるためのいくつかの方法をわかりやすく説明します。
- 減量中には摂取カロリーを減らすことで代謝の低下が起こる
- 減量後は代謝が落ちており、脂肪が最も溜まりやすい時期である
- 筋肉を保ち、摂取カロリーを変化させることで代謝の適応を回避しよう
減量期の代謝はどうして低下する?
そもそもどうして減量期に代謝が低下してしまうか、という事ですが、その主な原因は摂取カロリーの減少によるものです。
元来から行われている糖質制限ダイエット(ローファットダイエットとも)では、基本的に摂取カロリーを落とし、消費カロリーを増やす事で脂肪燃焼をしていきます。
その際に行っている事は、例えば、車のオイルを変えないで走らせ続けている状態です。勿論エンジンは正常にエネルギーを出せず、燃料切れを起こします。
その際に起こるのが代謝の低下ですが、その呼び方も様々で、
- 代謝代償
- 代謝抵抗性
- 代謝不全
- 代謝ダメージ
などと呼ばれています。そのうちの一つでもっとも一般的なものが、適応性熱発生(Adaptive Thermogenesis)です。
適応性熱発生の際に体に起こる事
適応性熱発生とは、身体の状態と環境に応じて身体が勝手に代謝を上げたり落としたりして、脂肪の貯蓄を保ってくれる自然反応です。減量をしている人にとっては、とんでもないありがた迷惑です。これにより体に起こることとしては:
- 甲状腺ホルモンや他のホルモンの分泌を下げる事でエネルギー消費を減少させる
- 空腹感と食欲を増加させる
- 無意識のうちにあまり体を動かさないようにさせる(例えば一日100回起き上がって歩くところを、50歩しか歩かなくなる等)
更に特筆するべきなのは、減量が終わった後の事です。減量が終わった後には、多くの人が栓が抜かれたように普通の食事をたべまくると思います。
しかし、減量中に代謝が低下していてるところにものすごいカロリーをいれてしまうと、普通以上に脂肪の貯蓄が促されてしまうのです。代謝はすぐには戻らず、ある程度の時間をかけて元に戻っていきます。
代謝の低下を改善・抑制する方法
減量期に代謝の低下を最小限に抑える、もしくは減量期の後に代謝を元に戻す方法はいくつかあります。
できるだけ筋肉を落とさずに減量しよう
これは誰もが頑張っている事だと思いますが、筋肉が落ちると代謝は大きく落ちてしまいます。トレーニングをハードに行い、カロリーを減らし過ぎない事がポイントです。
最近では、一週間に0.7g/kgほどの体重の減少幅が、筋肉を保ったまま減量するのに最適であるようです(70㎏の成人なら一週間に490g)。
タンパク質を多く摂ろう
筋肉を保つためには勿論タンパク質が欠かせません。普段摂るよりもタンパク質の摂取量を増やしましょう。
しかし、炭水化物の摂取量を減らし過ぎてもトレーニングに支障をきたす可能性が高まるため、炭水化物とタンパク質の割合の兼ね合いをしっかりと考えた方が良いでしょう。
個人によりますが、僕の場合は減量期にはタンパク質を総カロリーの35%ほど摂って、炭水化物を55%ほど、脂質を残りの10%ほどから摂取するようにしています。
減量中に摂取カロリーを変えよう
代謝が適応しないように、カロリーのギャップを変えてあげる事が大事です。例えば、かなりカロリーを減らす時期を作った後に、全くカロリーのギャップを作らずに、代謝を落とさないようにするといった方法があります。
チートデイと呼ばれるものがありますが、それとは違い、単純にカロリー摂取量の増減を作るだけです。基本的に食事内容は変える事はありません。
有酸素運動は減量期の後に重要
先ほど言ったように、減量期の後には代謝は落ちている状態ですから、減量期の間よりも、その後に低下した代謝をカバーするために有酸素運動を行うのが良いでしょう。
減量が終わった後に食べ過ぎない
減量後は一番脂肪が溜まりやすい時期と言っても過言ではありません。とにかく、終わった事を喜ぶ前に、次に自分が何をするべきかを冷静に考えて、少し摂取カロリーを増やすだけにしましょう。
アダプトゲンを摂ろう
最後に、これにはまだ研究結果が足りないですが、経験上から言うと、ロディオラやアシュワガンダ等のアダプトゲンと呼ばれるハーブを摂ると良いです。
アダプトゲンには脳の視床下部に働きかけて代謝をコントロールさせる働きを持っているといわれています。
僕自身しても減量中にアシュワガンダを寝る前に摂取していましたが、日中に眠気や疲労を感じずに、気分良く減量することができていました。ストレスが溜まりやすいダイエット中に非常にお勧めします。
まとめ:代謝のコントロールをしよう
減量中・後は一番代謝に気を付ける時期です。
今回の記事で紹介したような方法を減量・ダイエットに取り入れることで、代謝をコントロールすることができます。
減量を成功させるためにも、代謝は頑張って高く保ちましょう。
では、また。