もう長い間油ばっか摂ってるし一日くらいパンとかご飯食べてもいいだろ…
ちょっとまって下さい。
ケトジェニックダイエットでは脂質とタンパク質しか食べる事ができないため、炭水化物への欲も高まります。
そんな時に一日だけ炭水化物を食べてもいい日、それが「チートデイ」。
しかし、チートデイを作るのは、実は体に悪影響を及ぼす可能性があるのです。
そもそもチートデイとは?
ケトジェニックダイエットでも取り入れる事がある「チートデイ」ですが、普通の糖質制限ダイエットでメジャーに使われる方法です。
もともとチートデイが作られた理由は、体の代謝を下げさせないためです。
長期間のカロリー制限によって、体が勝手に代謝を下げてしまう「代謝適応」という体の反応を、チートする(英語で「だます」という意味)日という意味です。
一日だけ炭水化物(もしくは脂質も)の食べる量を増やしてあげて、「ちゃんと食べてるから代謝を下げないでねー」という信号を体に出してあげるのです。
そうすることで代謝は高い状態を維持し、脂肪を燃やし続けてくれる効果をキープすることができます。
ケトジェニックでのチートミール
糖質制限ダイエットでのチートミールの役割は、体の代謝を高く保って、脂肪燃焼効果を保つことにありますが、ケトジェニックではそもそも代謝が下がりにくいです。
というのも、ケトジェニックダイエットではそこまで摂取カロリーを減らす必要はなく、身体を「ケトーシス」という状態にすることで、炭水化物の代わりにケトン体と呼ばれる脂肪酸から生成されるエネルギー源を使って脂肪を落としていくダイエットだからです。
カロリーを十分に摂っていれば、体の代謝は下がることなく脂肪を燃やしてくれます。
「何で摂取カロリーが多いのに痩せれるの?」といった基本的な疑問には、こちらの記事で解説しているので是非参考にしてください。
最近の流行のダイエット方法であるケトジェニックダイエットとは、簡単に言うと炭水化物(糖質)の摂取量を限りなく少なくし、脂質を大量に摂取することでより効率的に体脂肪を減らそう、というダイエットです。 この記事では、どのような仕組みでケトジェニックダイエットが成り立っているのか、どのような食べ物を食べたら良いのか等、ケトジェニックで成功するために必要な情報をまとめました。…
じゃあケトジェニックダイエットでチートデイを作るのは何で?
単純に炭水化物への欲求を抑えて、ケトジェニックダイエットを続けやすくするためです。
人体のメカニズム的なこととは関係なく、どうしても食べたいから仕方なく一日だけ、心に決めて炭水化物を食べるのです。
精神衛生上とても有意義な行動ではありますが、もろ刃の剣のような側面もあります。
ケトジェニックダイエットでチートデイを作るデメリット
ケトーシスでなくなってしまう
おそらくケトジェニック中のチートデイで一番恐れられている事は、炭水化物を沢山食べる事で身体がケトーシスの状態でなくなってしまう事だと思います。
ケトジェニック食で体のエネルギー源がケトン体になっている状態のケトーシスでは、炭水化物に多く含まれるグルコース(糖)をエネルギー源とはしていません。
そのケトーシスの状態の体に炭水化物を入れすぎてしまうと、ケトン体をエネルギーとして使わなくなる=またグルコースをエネルギー源にする体に戻ってしまうことになります。
結果的に、チートデイの後には、またケトーシスに戻すために辛い日々を過ごさなければいけなくなります。
炭水化物への欲求が増える
ケトジェニックに限らず、沢山好きなチートミールを食べた次の日には、
またあのピザやから揚げが食べたい、ドーナツも食べたいしケーキも食べたりない…
といった風に、一度経験した快楽をまた求めてしまうようになってしまいます。恐るべし人間の性。
結果的にチートデイの頻度が上がってしまい、脂肪の燃焼も上手くいかない、といった具合に、ダイエットの失敗に繋がってしまいます。
チートデイは血管に悪影響
2019年の2月に発表された研究では、チートデイをケトジェニックダイエット中に作る事は、血管壁を傷つけることを発見しました。
具体的には、被験者が一週間のケトジェニックダイエットの後に75gの炭水化物を摂取したところ、血糖値の急上昇によって血管の壁が傷つけられた、との結果を報告しています。
一週間の間脂質とタンパク質しか食べていないところに、いきなり糖質を入れる事で血液中の糖が急激に増えてしまい、血管内の細胞が耐えられずに劣化してしまうという事です。
まだ新しい研究なので確実な事は言えませんが、急激な体の変化には体はついていけないという事は言えると思います。
その結果に何らかの副作用が体に出てしまう可能性は考えておくべきでしょう。
ケトジェニックダイエットで安全にチートデイを行う方法
色々デメリットや危険性はあるけど、やっぱり炭水化物はたべたいなあ
そんな人は、いきなり沢山炭水化物を摂らずに、少し摂るようにすればデメリットを最小限に抑える事ができます。
例えば、ご飯2杯を一気に食べるのではなく、大豆などの豆製品のような、炭水化物の含有量が比較的少ないものを食べるようにすれば、血糖値も急激に上がる事はなく欲求を増やす事もありません。
また、デニッシュやクロワッサンなど、脂質の含有量が多い食品も、満足感を得やすく、食べ過ぎを防ぐことができます。もちろんパン類は糖質は多く砂糖も多いため、血糖値の急激な上昇につながる可能性が高いです。
そのため、基本的には砂糖を多く使用したものは避け、ナッツ類や芋類など、自然な甘みで甘味への欲求を抑えるようにするのが望ましいです。
ポイントとしては、チートデイでも食べ過ぎないようにし、できるだけ少ない量で体を満足させるように自分でコントロールする事です。
勿論、食べる量をコントロールすることができるならパンでもご飯でも食べてよいとは思いますが、カロリーの密度が高いため、満足感が得られにくいのが難点ですね。
ケトジェニックダイエットでのチートデイの目的は、「欲求を抑える」事にあるため、自分が満足できるような方法を頑張って探すことが重要です。
賢くチートデイを取り入れよう
- ケトジェニックダイエットのチートミールは欲求を抑えるため
- チートデイを作ることでダイエットや体への悪影響がある
- 摂取量を自分でコントロールすることが必用
一般的には、「チートデイは甘え」のような風潮はありますが、上手に取り入れることでダイエットを続けやすくしたり、計画的に友達と外食に行くこともできます。
デメリット・危険性を理解した上で、チートデイを上手く活用していきましょう。
よーし明日はチートデイだからしっかり摂る量を計算しておかないとな!
参考文献
- Durrer, Cody., et al. (2019). Short-Term Low-Carbohydrate High-Fat Diet in Healthy Young Males Renders the Endothelium Susceptible to Hyperglycemia-Induced Damage, An Exploratory Analysis. Nutrients.
ケトン体についてろくな知識がないまま記事を書いてしまったのですね。
もう一度、ケトン体とはなにかから調べ直すことをおすすめします。
ご指摘ありがとうございます。確かに、ケトン体=ケトーシスの状態にある人間の体と間違って理解をして記事を書いていたようです。