オーストラリアのジェームズクック大学による研究では。地球温暖化の影響からのサンゴ礁保護に対するより大胆な活動によって、地上を含む全ての環境システムが利益を得る事が示されています。

サンゴ礁の保護は全ての環境システムに有益

サンゴ礁・環境

現在の気候変動の影響が持続すれば、世界のサンゴ礁は2070年までに消滅する事が予測されており、世界いさんに指定されているサンゴ礁であっても、1980年頃から、地域・地球規模での白化によって損傷されています。

今回公表された研究では、海洋と同様に大陸にも焦点を当て、新たなアプローチを示しました。

例えば、オーストラリアのグレートバリアリーフを保護するためには、オーストラリアの政治家は火力発電を再生可能なエネルギー源に代替し、地上基盤の養殖業を開発し、425000平方キロメートルのレートバリアリーフの水域に存在する地上植生と湿地を回復する必要がある事が指摘されています。

これらの対策を戦略的に行うことができれば、地球規模での排気ガスの減少、農業表面流水の抑制、それらと同時に人々の暮らしと食料保証も改善される事が見込まれています。

研究論文では、現在オーストラリアのサンゴ礁保全は、サンゴ礁における地域的生物多様性の保護と損傷したサンゴの回復へと焦点が当てられているために、十分な包括的保全が行き届いておらず、進行しているサンゴ礁減少を止める事はできない事が示されています。

サンゴを人工的な水面化養成所などで増殖させる試みも、主要な原因への対策を講じなければ無駄に終わります。

根本的な原因である二酸化炭素排出量への対策として、2030年までに2010年の二酸化炭素排出量の45%までに削減する必要がある事が指摘されています。

最初にサンゴ礁に焦点を当てた土地と海洋の管理業務の改善を行う事で、目的を達成すると見込まれています。

サンゴ礁は地球の海底の僅か0.5%しか占めていないものの、海洋生物の約30%の生活を支えており、世界の4千万人の仕事、食料、津波や嵐、洪水からの保護を請け負っています。

コスタリカ等の国々、カリフォルニアなどの州、そしてコペンハーゲンのような都市は、すでに温室効果ガスを抑制する新政策を取り上げており、代替的経済機会を世界へと示しています。

研究者は、政治家や科学者、NPO団体、慈善事業団体などに対して、より敢為的戦略を取るよう促しています。

参考文献

Morrison, H. T., et al. (2019). Save reefs to rescue all ecosystems. Nature. DOI: 10.1038/d41586-019-02737-8