ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドンとバース大学の二校により行われた研究により、スマートフォンで使われるようなデジタルゲームは、瞑想・マインドフルネスのアプリよりも、仕事後のストレス解放に効果的である事が示唆されています。

ゲームアプリは瞑想アプリよりもストレスを解消する

スマートフォンのゲーム

JMR Mental Healthによって公表された今回の研究では、まず参加者のうち実験群には15分間の数学のテスト後に従来のスマートフォン向けのゲーム(パズルゲーム)もしくは瞑想アプリ(マインドフルネスアプリ)をプレイさせ、統制群にはハンドスピナーを与えました。

瞑想・マインドフルネスアプリとは

マインドフルネス(mindfulness)とは、元々仏教用語として使われていた「瞑想」を意味する言葉で言葉通り瞑想を行うためのインストラクションや舞台を用意するアプリを指します。精神を落ち着けたり神経を安らげる効果がある事が主張されています。

パズルゲームをプレイした参加者は元気になり、疲れが少ない状態であったのに対し、マインドフルネスアプリとハンドスピナーを使用したグループは、元気がなくなっていました。

二つ目の実験では、仕事からの帰宅後にアプリ・ハンドスピナーをそれぞれの群で5日間行わせたところ、パズルゲームをプレイした群はマインドフルネスアプリをプレイし群よりもよりリラックスできていたという結果が出ています。

研究者たちによると、スマートフォンなどのゲームは仕事後の疲れからの回復に効果的である理由として、以下のような理由を挙げています:

  • リラックスできる
  • 新しいスキルを身に着ける事ができる
  • 没入できる
  • コントロール感を味わえる

以前の研究でも、ゲームプレイは仕事疲れからの回復に効果的である事が示されていましたが、今回の研究は因果関係を調べる事に焦点を当ています。

最初の実験では19歳から36歳までの学生45人に数学の問題を解かせることで疲れを感じさせ、その後に10分間の間上記した3つのグループに分けてそれぞれ時間を過ごさせました。

二番目の実験では、20人の参加者に仕事からの帰宅後にパズルゲームかマインドフルネスアプリをプレイさせ、5日間続けた後にオンライン調査を実施しました。

参加者の活気に違いはありませんでしたが、「疲れからの回復」という点では、パズルゲームをプレイした参加者はよりリラックスでき、解放感を持ち、スキルを獲得できたと感じる事で疲れからの回復ができたという結果になりました。

参加者へ質問によってこのような結果は得られ、「プレイしている間は、仕事の事を忘れられた」といった声もあったようです。

反面、マインドフルネスアプリの初心者コースをプレイした参加者たちは、5日間の間疲れからの回復はできず、研究で測定されていたスコアは低下していったことが示されています。

研究論文の著者は、スマートフォンのゲームの面白さと仕事後のストレス解放感の相関関係も指摘しています。

参考文献

  • Collins, Emily., et al. (2019). Digital Games and Mindfulness Apps: Comparison of Effects on Post Work Recovery. JMIR Mental Health. DOI: 10.2196/12853