イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校による研究では、トレーニング中にピューレ状にしたじゃがいもを摂取した場合、商品として販売されている炭水化物サプリメント(カーボドリンク・カーボジェル等)と同様な血糖値維持効果とパフォーマンス向上効果があった事が示されています。

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トレーニング中のじゃがいもの摂取はカーボサプリメントと同じ位有効

じゃがいも・いも

これまで研究で示されてきた情報では、炭水化物サプリメントを長時間の運動中に摂取することで体内のグリコーゲンが保たれ、運動パフォーマンスが向上する事が明らかにされています。

今回行われた研究の目的は、アスリートのパフォーマンス強化の選択肢の多様化と、サプリメントのフレーバー疲労*を相殺することにあります。

フレーバー疲労(flavor fatigue) 

フレーバー疲労とは、長時間、もしくは長期間にわたって同じ食品、料理を摂取し続けることで味蕾(舌にある感覚器官)が同じ味・フレーバーへの耐性を持ってしまう事を言います。例えば、大好きな料理を食べ始めた時には美味しいと感じていても、30分や1時間も食べ続けていると次第に飽きてきてしまうといった経験は、このフレーバー疲労に原因があります。

じゃがいもは値段も栄養価も効率が良く、天然食品であり、カーボドリンクのように甘くもない非常に有望な炭水化物の代替供給源として捉えられています。

研究では、健康な12人のアスリート(週に267kmの自転車走行を行い、トレーニング経験は複数年にわたる被験者)による120分間のタイムアタック型のサイクリングチャレンジが行われました。

研究の間、参加者はランダムに3つの条件下に割り当てられました:

  1. 運動中に水だけを摂取するグループ
  2. 炭水化物サプリメント(カーボジェル)を摂取するグループ
  3. じゃがいも由来の炭水化物を摂取するグループ(2.と同等の炭水化物量)

研究者は12人の被験者の条件を同等にするために、通常のレースコンディションに相当するよう設計された実験前24時間の食事をコントロールし、実験中においては被験者の血糖値と体温、運動強度、胃腸の状態、更に運動強度の指標として血中の乳酸濃度も同様に調べました。

実験結果として、実験中に60g/時間の炭水化物を摂取した場合に起こるパフォーマンス向上にカーボジェルとじゃがいもの摂取の間に違いは見られず、両グループで水のみを摂取したグループよりも高いパフォーマンスが確認された事が報告されています。

血糖濃度においてもカーボジェルとじゃがいもは同様の上昇傾向を示し、水のみのグループより速いスピードで走行する事が出来ました。

しかしながら、じゃがいもを摂取したグループは、他のグループと比較して胃腸の膨張や痛みをより感じたことも報告されており、ジェルに見合う量の炭水化物を摂取するためにじゃがいもを多量に摂取した事が原因とされています。

胃腸に関する問題は残るものの、トレーニング中のグルコース供給源としての機能性が確認された事で、カーボドリンクやジェルの代替品として使用する有益性が今回の研究で示されました。

参考文献

  • Salvador, F. A., et al. (2019). Potato ingestion is as effective as carbohydrate gels to support prolonged cycling performance. Journal of Applied Physiology. DOI: 10.1152/ japplphysiol.00567.2019