リバプール大学による研究によると、イギリスのレストランチェーンで提供される前菜やサイドディッシュ、デザートは非常にカロリーが高く、ほんの少数だけが健康推奨基準に則していることが判明しました。
イギリスのレストランチェーンの食事は衝撃的なほどにカロリーが高い
イギリスの国民健康機関は、最近になって昼食・夕食におけるカロリー含有量が600kcalを超えることがないように推奨をするようになりました。
ファストフードは栄養価にも劣り、健康に悪影響を及ぼす可能性が高いことはこれまでよく研究されてきましたが、前菜、サイドディッシュ、デザート、そしてメインディッシュといった、フルコースを提供する伝統的なレストランに関しては注意が向けられていませんでした。
今回の研究では、レストラン店がカロリー過剰摂取に貢献しているかどうかを調べるべく、研究者らはイギリスの主要なレストランチェーン店で提供されている人気のフルコースの前菜とサイドディッシュ、デザートのカロリー含有量を比較しました。
以前に行われた研究では、メインディッシュのカロリーに関しての調査が行われているため、今回の研究はメインでッシュの調査に続く形で行われています。
調査された食事は1009種類(前菜212、サイドディッシュ318、デザート479)で、27店舗(21フルコースレストラン、6ファストフード店)が対象となりました。
発見されたところでは、平均として、前菜は488kcal、サイドディッシュは397.5kcal、デザートは430.6kcalであり、推奨数値である一食600kcalを超えている割合は前菜で26.4%、サイドディッシュで27.1%、デザートで20.5%であることが明らかになりました。
フルコースレストランで提供されているデザートはファストフード店と比べてより高く、600kcalを超える傾向にあることも同様に示されています。
更に、ほとんど全てのレストランにおいて店内での商品の栄養成分等情報が提供されておらず、政府はカロリー情報を提供するよう法制化をすることを検討しているようです。
食品産業はより責任をもって行動し、衝撃的なほどに高いカロリー含有量を改善するとともに、提供される食事のカロリー・栄養価のラベリングを義務化することが必要であると、研究者は主張しています。
参考文献
- Muc, Magdalena., et al. (2019). A bit or a lot on the side? Observational study of the energy content of starters, sides and desserts in major UK restaurant chains. BMJ Open. DOI: 10.1136/bmjopen-2019-029679