先日オーフス大学と同大学付属病院によって行われた研究は、世界中で4人に一人は結核の細菌を体内に持っている可能性を示唆しています。

世界人口の4分の1は結核細菌を持っている可能性

バクテリア・細菌

結核は結核菌mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされ、毎年1000万人の人々に発症が見られ、200万人ほどの死者を記録している感染病です。

また、潜伏結核症と呼ばれる非活性状態で結核細菌に感染している人も多くいるようですが、今までその数は実験的根拠に基づいた推測が成されず、明らかになっていませんでした。

今回デンマークとスウェーデンで行われた研究では、潜伏結核症の発生率を推測する新しい方法を利用しました。

研究者たちは36国からの88の科学研究を見直し、その疫学的根拠に基づいて研究が成されていない国における潜伏結核症の蔓延率を概算しました。更に、地球規模での全体的蔓延率を計測しました。

研究は、WHOの目標である2035年までに結核を完全に排除する目論見は困難であることを強調する結果となりました。

今までの研究では潜伏結核症を持つ人は世界人口の3分の一から4分の一だと見積もられてきましたが、今回の351811人を調査したテストに基づいた研究は、5分の一から4分の一程度だと概算しています。

この研究結果によって、大規模な世界規模での結核の発症が予測されますが、以前考えられていたほど数ではない事が示されています。

参考文献

  • Cohen, Adam., et al. (2019). The global prevalence of latent tuberculosis: a systematic review and meta-analysis. European Respiratory Journal. DOI: 10.1183/13993003.00655-2019