アメリカのタフツ大学による研究では、ダイエットの後に体重を維持していた被験者は、体重が増加した個人に比べて、コレステロール値や血圧、腹囲などの循環代謝疾患(肥満、糖尿病など)のリスク要因を安定・改善させることができていたことが判明しています。

ダイエットの後の体重維持は循環代謝系の改善に繋がる

ダイエット・体重減少

研究では、一年間の強度ライフスタイルダイエットプログラムによって体重を減らした被験者を対象に、三年後に循環代謝系疾患の全てのリスク要因を調査したところ、ダイエット後に体重が増加していたグループよりも体重を維持していたグループの方に良性の代謝系が見られたことが確認されています。

循環代謝疾患のリスク要因には、HDLコレステロール、トリグリセリド、空腹時の血糖値、糖化ヘモグロビン濃度、血圧、腹囲が含まれています。

もしダイエットの後も体重を長い期間維持し続けることができれば循環代謝系は更に改善される見込みがある一方で、リバウンドしてしまうと、この健康効果は薄れてしまう、もしくは完全に消えてしまいます。

そのため、健康的な体重にする事だけでなく、その後の体重維持に関しても日々の健康を保つ上で重要性が高いことが指摘されています。

研究者らは、体重減少へのサポートを行うと同時に、その後の体重を維持することも患者に対して行うべきサポートとなることを示唆しています。

しかし、体重維持と体重増加(リバウンド)の境界線はまだ曖昧であり、どの地点、どの割合で体重が増えた場合にリバウンドと呼ぶのかは区別できていません。

これからの研究で、標準化された「体重減少後の体重維持」に関する定義づけが行われることが期待されています。

参考文献

  • Berger, E. S., et al. (2019). Change in Cardiometabolic Risk Factors Associated With Magnitude of Weight Regain 3 Years After a 1‐Year Intensive Lifestyle Intervention in Type 2 Diabetes Mellitus: The Look AHEAD Trial. Journal of the American Heart Association. DOI: 10.1161/JAHA.118.010951