テストステロンとは何か?筋肉を作るために必要だ、と認知している人も多いと思いますが、詳しい事を知らない人も多いのではないでしょうか。

どこから生産されて体でどのような働きをするのか等、多くの疑問はあります。この記事で、テストステロンの身体での生産過程と役割を見ていきましょう。

この記事のポイント

・テストステロンは副腎皮質・精巣・卵巣で生産される男性ホルモンである。

・2種類のテストステロンが血中にあり、低すぎても高すぎてもいけない。

・血液検査によってテストステロンは計測できる。

テストステロンとは?

男性ホルモンとして体内では働くテストステロン。

テストステロンとは、副腎皮質、精巣(男性)、卵巣(女性)で作られるアンドロジェニックホルモン(男性ホルモン、ステロイドホルモンとも)の一種であり、主要な男性ホルモンであると考えられます。

テストステロンの主な働きとしては:

・第二次性徴(体毛や筋成長等)の発達を刺激

・精液の生産(男性)

・卵形性や排卵に影響(女性)

女性でもテストステロンの生成はされますが、基本的に男性の方がより多くのテストステロンを生成します。男性は、生まれ持って遺伝子構造にY染色体を持っている事が、テストステロンの生成に関わっているようです。

テストステロンは、思春期に男女両者において分泌が増え、おおよそ30歳ほどで衰えを見せ始めます。

2つのテストステロンの種類

血液中には、2種類のテストステロンが存在します:

遊離型テストステロン:科学的結合をせずに、自由に血液中を泳ぎまわるテストステロン。テストステロンのうち1~2%しか閉めないが、常に活性しているため非常に重要なテストステロン。

結合型テストステロン:血中の血清テストステロンの98%を占める、メジャーなテストステロン。2種類のタンパク質と結合しており、アルブミン型と、性ホルモン結合グロブリン(SHBG)型の二つに分かれる。

この二つの種類に関してはまた別記事で詳しく話そうと思いますが、テストステロンには2種類が血液中に存在している、という事を理解してもらえれば良いと思います。

テストステロンの体内での働き

トレーニングによっ増えるテストステロンはまた、それ自体をサポートする役割も果たします。
  1. 精液分泌:テストステロンは精液の生産に非常に重要ですが、テストステロンが少なすぎても多すぎても精子の数は減ってしまうため、バランスが難しいようです。
  2. 第二次性徴:顔や体毛の成長、声が引くくなる、筋肉の成長、骨形成、脂肪の分配など。多すぎるとニキビの原因になったり、女性では男性型脱毛症などを引き起こす可能性があります。
  3. 卵巣での卵子形成:完全に判明していませんが、女性においては卵胞の形成の初期段階で、卵子の死を防ぐ効果がるとされています。
  4. 性欲:テストステロンの値が高いと、性欲も上昇することが知られています。
  5. 筋肥大:テストステロン値の問題で、男性は女性よりも筋成長をする傾向にあります。
  6. 痛みへの耐性:テストステロンは男女両方において、痛みに対する制御などを行います。

テストステロン値が低いとどうなる?

気分が落ちこんだりします。

女性はもともとテストステロン値が低いため、あまり影響を受けませんが、男性の場合はテストステロンの値が低いと、以下のような症状が出る事があります。

・性欲減退

・エネルギー減少

・体重減少

・鬱状態

・イライラ

・自尊心の薄れ

・体毛の減少

・骨が細くなる

年齢を重ねるごとにテストステロンの生産は落ちていきますが、他にもテストステロンの生成を落としてしまう原因はあります。化学療法や放射線治療等のがん治療、精巣への傷などはテストステロンの生産に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、生活習慣やストレスの状態も同様にテストステロンを減らす原因になります。例えば:

・エイズ

・腎臓病

・アルコール依存症

・肝臓病

血液検査のすゝめ

血液検査ではホルモンの血中濃度を調べることができます。

病院や診療所で受ける事ができる血液検査で、テストステロンの値を知る事ができます。

人によってテストステロンの正常な値は変わりますが、およそ280~1100ng/dL(1デシリットルにおけるナノグラム数)が男性の平常値、15~70ng/dLが女性の正常値とされています。

男性の場合には、300ng/dLを下回る場合はかなり低いと判断されるため、注意が必要な値となります。テストステロンの低い値は、脳下垂体(副腎皮質を制御している場所)が正常に働いていない可能性もあります。

逆にテストステロンの値が正常値よりも高いと、思春期の早まりや、女性における男性的特徴の発現に繋がります。また、CAH(先天性副腎過形成)という先天性疾患の影響によっても、テストステロン値の上昇は見られます。

いずれにせよ、一度血液検査を受けることでテストステロンのレベルがどの位なのかを把握しておくと、自分にとっての指標にもなるため良いと思います。

まとめ

テストステロンは男性だけのもの、というわけではなく、男女両方にとって重要なホルモンです。

年齢によってどうしようもなく下がってしまうホルモンですが、運動やサプリメントの摂取、生活習慣の改善をする事で、テストステロン値向上への道が開けます。

若い人も壮年の方も高齢の方も、テストステロンの正常値を保つ事で、健康的な生活を送る事ができるでしょう。

この記事の要点

・テストステロンはステロイドホルモンの一種であり、男性・女性それぞれにおいて役割がある。

・2種類のテストステロンが存在し、正常値を保つことが望ましい。

・血液検査は定期的に受けた方が良い。