コーネル大学の研究者によって、大部分が「水」でできた、新たな低カロリーのバターを開発する方法が発見されました。
この低カロリーバターは大さじ25.2kcalで脂質を2.8g含んでおり、大さじ約100kcalで脂質を11g含む一般的なバターと比べると、非常に低カロリー・低脂質である事が主張されています。
新しい低脂肪・低カロリーバターは殆どが「水」
研究者は、バターを模倣するために非常に多くの水と極少量の野菜油と乳脂肪を乳化させる新しい工程を発見しました。
通常のバターは84%の脂肪と16%の水で構成されている一方で、今回開発されたバターは80%の水と20%の脂肪で構成されている上、通常のバターと同じような舌ざわりとクリーミーさを兼ね備えている事が示されています。
水と油を乳化させる方法は特に新しいものではありませんが、高内部位相エマルジョン(high-internal phase emulsions, HIPE)と呼ばれる新たな方法を用いる事で、油に水を80%の比率まで加える事が可能になる事が判明しました。
消費者の健康意識の向上によって、低脂肪・高たんぱくの製品に対する需要が急速に広まっている中、今回のHIPEによるバターの開発は、消費者に健康的な選択肢を与える上で重要な役割を担う事が期待されています。
更に、乳タンパク質や植物性タンパク質などを加える事もでき、水が運搬役として働くことから、栄養素の調整やビタミン・ミネラルなどの微量栄養素、フレーバー等の添加でさえ可能である事が主張されています。
参考文献
- Lee, C M., et al. (2019). Ultrastable Water-in-Oil High Internal Phase Emulsions Featuring Interfacial and Biphasic Network Stabilization. ACS Applied Materials & Interfaces. DOI: 10.1021/acsami.9b05089