アメリカでは非常に大きな問題となっている肥満と呼ばれる生活習慣病は、心臓病や糖尿病、脳卒中などの他の病気の原因にもなり、深刻な症状として世界中で認知されています。

ものしりくまさんものしりくまさん

アメリカ合衆国では人口の3分の1が肥満と診断されています(Centers for Disease Control and Preventionによる)

日本では肥満と診断されることはなくとも、「肥満予備軍」の方は多くいます。生活習慣が乱れることで誰でも肥満になる可能性があるため、事前に予防するための方法を知っておくことはとても大切です。

肥満の原因と健康体重にするための対処法

肥満は普段の飲食が深く関係しており、どのような食事をどのくらい食べてどの程度のカロリーを摂取しているか、という「種類と量とカロリー」が主に考慮されます。

体重の問題に対処する

  1. BMI(Body Mass Index、人の肥満度を表す指数)を目安に、自分が健康体重にあるかを調べます。計算は『体重÷(身長(m)の二乗)』。体重70kg・身長170cmの人であれば、70÷(1.7²)=約24.2となります。25以上で過体重・30以上で肥満と判定。
  2. もし健康体重でない場合、緩やかなダイエットを行いましょう。現在の体重の5〜10%の体重減少だけでも、健康に良い影響があります。
  3. 緩やかなダイエットを継続して行い、日常的な食事・運動習慣をライフスタイルにすることが、健康的な体重を目指す一番の方法です。
  4. 体重を落とすためには、摂取カロリーより消費カロリーを多くする必要があります。1kgの体重を落とすためには7000kcalの消費が必要であるため、1週間に500g〜1kg程度を目指すために普段の1日のカロリー摂取量から500〜1000kcal減らしましょう。
  5. 健康的な食事と規則的な運動習慣を作ることで、短期的・長期的の両方の体重減少、健康体重の維持が望めます。

できるだけ避けるべき食べ物・飲み物

ファストフード・ハンバーガー

あまり健康に良くない食べ物を食べすぎると、肥満になる可能性も高くなります。

勿論、全く食べてはいけないということではありませんが、以下のリストに含まれるような食事を日常的に多く摂取していると、肥満への道を進むことになります。バランスと節制を考えましょう。

  1. ファストフード:ハンバーガーやピザなどのファストフードと呼ばれる食べ物には、良くない脂肪や塩分、カロリーが詰め込まれており、日常的な摂取は多くの健康問題を引き起こします。
  2. 砂糖を多く含んだ食事:クッキーやケーキ、ドーナツ、ソーダやスポーツドリンクなどの飲料など、栄養価が低く砂糖からの糖質が多い食べ物・飲み物は、カロリーも高い傾向があり、体重増加の元となります。
  3. アルコール・酒:カロリーをあまり含んでいないように見えますが、たくさんの量を飲んでいるとカロリー過剰摂取となります。
  4. 精白・加工された穀類:白米や食パン、シリアルなどの、食物繊維やビタミンなどの栄養素が取り除かれた穀物は、血糖値の上昇・下降が早く、空腹感を覚えやすくなるため食べすぎの元となります。
  5. 脂質を多く含む食事:サラダドレッシングや加工食品、脂肪の多い肉類などの飽和脂肪酸を多く含む食べ物は、脂質とカロリーの過剰摂取となってしまいます。

肥満防止が期待できる食べ物

野菜や果物類

以下のような種類の食べ物を適量摂取することで、健康的な体重までの減量、その体重の維持がしやすくなります。また、肥満以外の病気にかかるリスクを下げるのにも効果的です。

  1. 果物・野菜類:果物・野菜の多くはビタミン・ミネラルが豊富で、食物繊維も含んでいるため、栄養価が高く低カロリーである健康に良い食べ物類です。
  2. 全粒穀物:全粒粉のパンや玄米、オートミールなどの精白されていない穀物は、ビタミンや食物繊維がより多く含まれている栄養価の高い食べ物です。普通の穀物(白米や食パン)などに比べて満腹感が得られやすいのもポイントです。
  3. ナッツ類・種:アーモンドやくるみ、かぼちゃの種やひまわりの種などの種子類には食物繊維が多く含まれているほか、病気のもととなる体内の炎症を抑える抗酸化物質と呼ばれるものも多く含んでいます。
  4. 脂肪の少ない魚・肉類:魚・肉類に多く含まれるタンパク質は、満腹感を得やすい栄養素です。ダイエットをする時には強い味方になります。
  5. 不飽和脂肪酸:オリーブオイルやアボカドに多く含まれる一価不飽和脂肪酸、鮭や青魚に多く含まれるn-3脂肪酸は人体に必要な必須脂肪酸であり、健康な体を維持するために重要です。

避けるべき食べものと、食べるべき食べ物をそれぞれ挙げましたが、それが体重にどう影響するかは、摂取量によります。

避けるべき食べ物であっても、1日や1週間に食べる量・回数などを決めて食べれば問題が出ることは少なく、逆に食べるべき食べ物を過度に摂取すればカロリー摂取量や栄養バランスが崩れて健康や体重に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

そのため、普段の食生活・運動習慣を自身で管理して、健康的なライフスタイルを作ることで肥満の防止を目指すことができます。

いきなり全てを変えるのではなく、1食だけ果物を加えて脂質を減らしてみる、という風に少しの変化を徐々に加えていく方が継続しやすいでしょう。