ニューヨーク州立大学バッファロー校に率いられて行われた研究によれば、赤ワイン等に含まれるポリフェノールの一種「レスベラトロール」は、ストレスコントロールに関係する酵素の表出を抑制することで、抗ストレス作用を示す事が分かりました。

レスベラトロールとホスホジエストラーゼ4との関係性

赤ワイン
赤ワインの他にも、ブドウやベリー類の皮などに含まれている「レスベラトロール」

Anxiety and Depression Association of Americaによると、アメリカでうつ病・不安障害に悩まされる人は、それぞれ1600万人・4000万人にものぼります。

今回の研究によって、レスベラトロールが医療用品の効果的な代替品になる可能性が高まりました。

レスベラトロールとは

レスベラトロールは、ブドウやベリー類(ブルーベリーやラズベリー等)の種や皮に含まれるポリフェノールと呼ばれる抗酸化物質(体の酸化を防ぐ物質)の一種で、多くの健康効果が期待されています。

レスベラトロールに抗うつ作用がある事自体はこれまでの研究で判明していますが、ホスホジエストラーゼ4(PDE4)と呼ばれる、ストレスホルモンのコルチコステロンに関連する酵素との関係性はまだ明らかになっていませんでした。

PDE4の阻害と抗うつ剤としての利用

コルチコステロン(コルチゾール)は、ストレスに対する体の反応を統制する役割持つホルモンですが、過剰なストレスは脳内ででのコルチコステロンの過剰分泌に繋がってしまい、うつ病や精神疾患の原因となります。

このような未知の生理的関係性が原因で、薬学療法においての抗うつ剤はセロトニンノルアドレナリンなどの神経伝達物質により焦点を当てて開発が成されいます。

しかし、この薬学療法では3分の一程度の患者しか改善効果が見られていない事が、今回の研究リーダーのYing Xu博士によって指摘されています。

あるマウスを使った研究では、過剰なコルチコステロンによって誘発されたPDE4が、うつ病に似た症状を引き起こす事が示されています。

PDE4は、体内で環状アデノシン一リン酸と呼ばれる細胞分裂・変化、細胞移動細胞の死などの信号を送る伝達物質の数を減少させ、脳内での物理的変化を引き起こすことも明らかになっています。

今回の研究では、レスベラトールは、このPDE4の表出を阻害することによってコルチコステロンに対する神経保護効果を示しました。この研究によって、新たな抗うつ物質の利用の基礎が作られたことになります。

参考文献

  • Zhu, Xia., et al. (2019). The antidepressant- and anxiolytic-like effects of resveratrol: Involvement of phosphodiesterase-4D inhibition. Neuropharmacology. DOII: 10.1016/j.neuropharm.2019.04.022