マグネシウムは体の中で様々な役割を果たす大切なミネラルです。

健康を保つためには十分な量のマグネシウムを摂取する必要がありますが、2020年に公表された国民健康・栄養調査では、日本人の平均摂取量は247mgとなっており、一般的な推奨量とされている400mgには達していません。

実際には、マグネシウムを多く含む食品を意識して食べることで、推奨量を簡単に満たすことができます。

マグネシウムを多く含む食品10選

1. ダークチョコレート

ダークチョコレートには、1食(約28g)に64mgのマグネシウムが含まれています。

また、鉄や銅、マンガンなどのミネラルの他、健康な腸の働きを支える食物繊維も含んでいます。

さらには、フリーラジカルと呼ばれる、細胞にダメージを与える分子の働きを抑える栄養素である、抗酸化物質も多く含まれています。

特にフラボノイドと呼ばれる抗酸化物質には、血中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)濃度を下げる働きもあり、心臓病の予防にも繋がります。

普通のミルクチョコレートには多くの砂糖が入っている上、カカオの含有量が少ないため、カカオ70%以上のチョコレートを選ぶようにしましょう。

2. アボカド

アボカドは100g中に33gのマグネシウムを含んでいる他、カリウムやビタミンB群、ビタミンKなどのビタミン・ミネラルが詰まっており、非常に栄養素に富んだ果物です。

脂質の含有量が比較的多いですが、その多くが健康の維持に効果的な不飽和脂肪酸です。

更に、アボカド100g中に含まれる炭水化物は6.2gですが、そのほとんど(5.3g)が食物繊維です。

このような栄養素が多く含まれているため、体内での炎症抑制やコレステロール値の改善、食事後の満腹感の向上などの様々な良い健康効果が研究で報告されています。

3. ナッツ類

アーモンドやピーナッツに代表されるナッツ類は、マグネシウムが多く含まれている上、他の栄養素にも富んでいます。

例えばアーモンド1食28g中には87mgのマグネシウムが含まれています。

多くのナッツには食物繊維と不飽和脂肪酸が含まれており、血糖値の急激な上昇を防いだり、コレステロール値の改善を促進するなどの効果も見られています。

更に、アーモンドやピーナッツには、抗炎症作用のあるビタミンEが多く含まれており、心臓の健康維持にも適しています。

4. 豆類

大豆、ひよこ豆、インゲン豆、レント豆などの豆類は栄養の宝庫です。

ゆでた大豆100g中には100mg、ひよこ豆100g中には51gのマグネシウムが含まれているなど、マグネシウムを摂取する事に適した食品です。

また、豆類は植物性の食品の中ではカリウムや鉄、タンパク質の源でもあります。

これまで挙げた食品と同様、豆類にも食物繊維が多く含まれており、血糖値やコレステロール値の改善、心臓病のリスクの軽減などの効果があります。

特に日本人には馴染みのある納豆は、腸内環境を整える発酵食品である上、ビタミンKも多く含んでおり、骨密度や骨の形成にも貢献します。

5. 豆腐

豆腐は大豆製品の1つであり、海外のベジタリアンの方々にも、タンパク質の摂取源として親しまれています。

100gの木綿豆腐には57mg、絹ごし豆腐には50mgのマグネシウムが含まれてます。

その他に、植物性タンパク質、カルシウム、鉄、マンガン、セレンなどの栄養素も豊富に含んでいます。

6. 種子類

ひまわりの種やかぼちゃの種、フラックスシード、チアシードなど、「種」と名のつくものには、多くのマグネシウムが含まれいます。

例えば、かぼちゃの種20中には106mgのマグネシウムが含まれています。

種子類には不飽和脂肪酸やオメガ3脂肪酸などの健康効果のある脂肪や、鉄などのミネラルの栄養素も含んでいます。

また、種子に含まれる炭水化物のほとんどは食物繊維であり、抗酸化物質も豊富に含んでいるため、多くの病気の予防になります。

しかし、脂質が多いため、過剰摂取は禁物です。

7. 全粒穀物

全粒粉やオート麦(オートミール)、ソバやキヌアなどの全粒穀物は、精製や加工が少なく穀物が本来持っている栄養素を多く残されているため、マグネシウムなどのミネラルも多く含んでいます。

例えば、50gのオートミール中には50mgのマグネシウムが含まれています。

全粒穀物にはビタミンB群やセレン、マンガン、食物繊維などが含まれていることも多く、体内での炎症を抑えたり、心臓病のリスクを下げる効果があります。

また、ソバなどの一部の穀物は、通常の小麦や白米などの穀物と比べてタンパク質と抗酸化物質がより多く含んでいます。

8. サーモン・鮭や青魚

サーモンや、鯖・イワシなどの青魚は、脂質が多いだけでなく、栄養素も多く含んでいます。

例えば、150gの鯖には45mgのマグネシウムの他、約30gのタンパク質、530mgのカリウムも含まれています。

青魚や鮭などの魚からは、不足しがちなビタミンDやビタミンB群も摂取することができます。

また、これらの魚にはオメガ3脂肪酸と呼ばれる脂肪酸が多く含まれており、心臓病や生活習慣病のリスクを下げる働きがあります。

9. バナナ

バナナはカリウムを多く含んでいることがよく知られており、血圧の低下や心臓病のリスクの低下が期待できます。

それに加えて、バナナ100g中には32mgのマグネシウムや、ビタミンCも含まれています。

熟したバナナに含まれる炭水化物の多くは糖質から成りますが、熟していないバナナには多くのレジスタントスターチが含まれます。

レジスタントスターチは体内に吸収されず、腸内細菌の餌となって腸内環境を間接的に整える役割がある他、血糖値を下げたり、炎症を抑えたりする効果も期待されています。

10. 青菜などの野菜類

ほうれん草やレタス、青梗菜、小松菜などの青菜にも多くのマグネシウムが含まれています。

特にほうれん草には、100g中(生)に69gのマグネシウムが含まれており、良い摂取源となります。

また、ビタミンKなどのビタミン類も多く含まれている他、青菜は細胞へのダメージを保護する物質を持ち、がんのリスクを下げる役割があることが研究で報告されています。

まとめ

マグネシウムは毎日十分量摂取する必要がある、重要なミネラルの1つです。

今回の食品リストを見てもわかるように、多くの種類の食べ物にマグネシウムは含まれているため、少し意識を変えるだけで1日の推奨摂取量を満たすことができると思います。

サプリメントからマグネシウムを摂取することも1つの手ですが、様々な食品を食べることで、マグネシウムだけでなく多くの健康効果がある栄養素を同時に摂ることもできるため、できるだけ食事のバラエティを増やすことを考えても良いかもしれません。