多くの人はストレスや不安感をネガティブで悪いものだと捉えがちですが、アメリカ心理学会にて行われた発表によると、心理学者はストレスと不安感は避けられるものではなく、日々の生活の中で害よりも益をもたらすものであるという認識があることが指摘されています。

ストレスや不安感は体にとって有益なものである

ビジネス・考慮・ストレスコントロール

ストレスは普段、自分の能力の限界近くで行動をする時に起こり、自分がよく見知った範囲の外側にある環境によって、限界を超えようと自分自身の背中を押す事で人はストレスを感じるのです。

ストレスは悪い出来事と良い出来事どちらの場合でも起こり、例えば会社をクビになったら非常にストレスが溜まりますが、初めて家に赤ちゃんを連れて帰るのもストレス環境下にあると言えます。

また、程よいストレスは予防接種を行うような効果があり、新しい苦境に立たされた時に立ち向かう能力を高くしてくれるのです。

不安感も避けられがちなものですが、不安を感じる事は人間が進化の過程で受け継がれてきた大切な危険信号システムなのです。

例えば、車を運転している時に急に横の車が近づいてきた時に感じる外的脅威や、後回しにし続けてきた大量の仕事の期限が迫ってきたときに感じる内的脅威等に対するアラートを鳴らしてくれるのが不安感です。

不安感が時には役立つものだと捉える事ができれば、不安感を感じている時に自分の抱えている問題に対する分析を行う事ができます。

もしテストが間近に迫っているのに勉強していない不安感を覚える学生がいた場合、問題は「テストがあるのに勉強をしていない」事が不安感の原因ですから、勉強をし始める事ができれば気分は回復をしていく事が分かります。

ストレスや不安感が強すぎると悪影響

ストレス・不安感

慢性的なストレスやトラウマ的なストレスなどの不健康なレベルでのストレスは悪影響に繋がる可能性があります。

言い換えると、心理的強度を育むために学習・利用することが可能なストレスレベルを超えてしまうと害を及ぼす可能性があるという事です。

また、不安感を何の理由もなく感じたり、不安感と脅威のバランスがマッチしていないと害になりやすく、例えば学校の小テストに対して脳内でパニックを起こしてしまうと、非常に些細なことに対する不必要な強度の不安感を覚えることになります。

このような形の害を与えるストレス・不安感を対処しないままでいると、うつ状態や心疾患などの他の心理的な症状や疾患に繋がる可能性もあります。

ストレスや不安感を多く抱えている人は、可能であれば専門家に相談する事が推奨されていますが、最近では瞑想・マインドフルネスのテクニックを使用することでストレスや不安感を解消する方法も示されてきています。

健康業界は常に幸せを感し、落ち着きとを持った生活を送る事を消費者に勧めていますが、人間の様々な経験的生活の中にはストレスや不安感は必要不可欠・回避不能なものであり、常に幸せでなければならないというプレッシャーこそが不健康なストレスや不安感に元になるのです。

参考文献

  • American Psychological Association. (2019). Why Stress and Anxiety Aren’t Always Bad.