東フィンランド大学の研究者によって行われた研究は、卵や肉類に主に含まれる、ホスファチジルコリンの食事からの摂取と認知症のリスクの低下との関連性を調べた初めての研究となりました。ホスファチジルコリンは認知機能の向上にも関わっている事が研究で示されています。

食事から摂れるコリンは認知症予防に効果的

記憶・認知能力

コリンはコレステロール値の改善や血圧の低下などの効果を持ち、食品中にはホスファチジルコリン等の形で含まれている栄養素です。

これまで行われた研究によって、コリンは認知機能に関係があり、十分な量の摂取はアルツハイマー病等の認知機能低下を防ぐのに重要な役割を果たしている事が明らかにされています。

今回の研究では、ホスファチジルコリンの摂取量いが一番多男性のグループは、一番低いグループの男性よりも28%認知症のリスクが低下していたことが明らかにされています。

また、ホスファチジルコリンの摂取量が多い男性グループは記憶力・言語能力のテストでも良い成績を残しています。

世界中で5000万人以上の人々が認知症へと繋がる記憶障害に苦しんでおり、その数が更にこれから増えていく事が予想されている中、これらの研究結果は非常に有用です。

研究で使われたデータは、1984-1989年にかけて行われた、2500人のフィンランド人を対象にして、食事習慣と生活習慣、健康状態などについての調査をもとにしています。

研究の中で多く見られたホスファチジルコリンの主な供給源は、卵(39%)と肉類(37%)でした。

参考文献

  • Ylilauri, P T Majia., et al. (2019). Associations of dietary choline intake with risk of incident dementia and with cognitive performance: the Kuopio Ischaemic Heart Disease Risk Factor Study. The American Journal of Clinical Nutrition. DOI: 10.1093/ajcn/nqz148