心臓病は人間だれしもリスクを抱えていますが、肥満気味の人は特に心臓が危険にさらされています。ジムで定期的に運動をする事が良く推奨されていますが、本当にジムに行く必要があるのでしょうか?家だけで充分ではないのでしょうか?

今回は、そんな疑問に答える形で行われたある研究をご紹介します。

記事のまとめ

健康維持のための家でのトレーニングは、ジムや施設で行うトレーニングと同じくらいの効果が得られる。家で運動することで、運動への時間やお金などの問題を小さくし、継続を促すのにも有効である。

ジムと家での運動と健康維持の効果

ジムのマシーンと家でのトレーニングは、効果は同じくらいです。

様々な国で健康維持のためのガイドラインが作られていますが、研究が行われた米国では、成人は毎週150分の息が上がる程度の有酸素運動を取り入れる事が推奨されています。

The Journal of Physiologyで発表された研究では、家で行われる高強度インターバルトレーニングのプログラムを調査し、その効果を肥満の患者において確かめました。

以前に行われていた研究では、20分の運動プログラムが、政府推奨の150分の運動と同じ効果が得られる事を示しました。その研究では、研究所内での非常にコントロールされた環境で行わていたため、今回の研究では、同じ効果が家の中でも得られるかどうかを実験したのです。

研究では、32人の肥満の参加者を、12週間のプログラムに参加させ、3つのグループに分けました:

  1. 監督下にある研究所内での高強度サイクリングプログラム
  2. 150分の政府推奨の中強度プログラム
  3. 家での自重のみの高強度トレーニング

どのグループでも一週間に三回運動が行われました。

12週間の後、研究者は参加者の体内組成と心疾患のリスク、ブドウ糖の調整力などの健康マーカーを調査したところ、家での高強度トレーニングは、研究所でのトレーニングと政府推奨のトレーニングと同じくらい、フィットネス改善効果が得られました。

家でのトレーニングのような、運動に対する時間、コスト、アクセス等の壁を低くし、運動へのモチベーション維持を促すような運動スタイルをとることで、より多くの人の健康維持に繋がりだろう、と研究チームは述べます。

参考文献

・Scott, NS., et al. (2019). Home-HIT improves muscle capillarisation and eNOS/NAD(P)Hoxidase protein ratio in obese individuals with elevated cardiovascular disease risk. Journal of Physiology.