ブリティッシュコロンビア大学による研究では、消費者はアドオン(オプション)であれば、全体の料金が高くなるにも関わらず、追加で料金を払う確率が1.3倍ほどになる事を明らかにしています。

消費者はアドオン(追加オプション)なら購入する傾向にある

購入・アドオン・契約

今回の研究では、商品のアップグレードに対する追加料金の影響を調査した始めての研究となり、消費者は商品を購入する時により料金の影響を意識するよう期待されています。

例えば飛行機のチケットの場合、2万円で2時間の乗り継ぎ時間がある便と、2万5千円の直通便を比較するとどうでしょうか。

もしくは、一般チケットが2万円で、直通便へのアップグレードが5千円で選択できると言われたらどうでしょう。どちらの方がより魅力的に感じるでしょうか。

どうやら消費者は、2万5千円は元の料金よりも高いため高額だと感じ、5千円のアドオンは高くないと感じる傾向にあるようです。

全体的な値段としては全く変わる事がないのに対し、5千円という、一見すれば安い金額に本能的に反応してアドオンを選択してしまうようです。

このような影響は、寄付やコンピューター購入、朝食等の様々なシチュエーションにおいて応用が可能である事が研究では示されています。

また、消費者に最終的な値段に心を留めるように告げる事での影響を調べ、欺瞞や混乱によってではなく、消費者がどのように購入の選択を正当化するかで優先傾向の遷移が起こる事が示唆されています。

ただし、そのような影響は値段でしか起こらず、商品のアップグレードでは起こらないようです。例えば、2テラバイトのハードドライブを購入する場合、4テラバイトのハードドライブよりも「2テラバイト追加」と表示される方が魅力的に見えるのです。

しかし、全ての消費者がアドオンの影響を受けやすいわけではありません。

選択を決める時により慎重で熟考する人であれば、値段の中に既に商品が含まれている場合と、アドオンでの追加料金として支払う場合とを比較する事が自然にできるのです。

この研究によって、卸売業者やビジネスセールスに対してはアドオン等の「プレミアム」特典の利用価値を証明し、消費者に対しては購入時の値段により意識を置く事の警告が成されています。

参考文献

  • Allard, Thormas., et al. (2019). When “More” Seems Like Less: Differential Price Framing Increases the Choice Share of Higher-Priced Options. Journal of Marketing Research. DOI: 10.1177/0022243719851490