リンカーン大学の研究者によって行われた研究によると、筋力トレーニング後のホエイプロテイン(もしくはミルクベースの飲料)の摂取は、筋肉の回復の割合には関与しない可能性が示唆されています。
トレーニング後のプロテインは筋肉の回復と関係がない
今回の研究では、1年以上のトレーニング経験がある30人の成人男性を被験者とし、3つ異なるドリンクをトレーニング後に飲むグループに分けて実験しました:
- ホエイ加水分解プロテインのグループ
- ミルクベースドリンクのグループ
- フレーバーデキストロースドリンク(カーボドリンク)のグループ
再試験は、トレーニング後24時間・48時間の区切りで行われ、参加者は、「筋肉痛無(0)」から「非常に筋肉が痛む(200)」までの筋肉痛のレベルのレーティングを行いました。
同様に、参加者は筋肉機能の試験を行い、筋力評価にも参加しました。
結果としては、最初のトレーニングセッション後の24時間・48時間後に参加者の筋肉痛のレベルは顕著に上昇し、ベースラインが19~26の値である反面、どのグループも最高で90以上にまで上昇している事が見られました。また、筋力と筋肉機能の減少も見られています。
3つのグループでは筋肉の回復のプロセスにおいて目立った違いは無く、タンパク質の摂取によって回復が促進される事はない事が示されています。
タンパク質と炭水化物は、トレーニング後の筋繊維の効果的な修復に必要不可欠なものである一方、トレーニング直後のタンパク質・炭水化物の摂取は回復反応に影響を示さない事から、研究チームは一日を通しての栄養摂取の方が、筋肉痛からの回復により効果的であると仮説を立てています。
参考文献
- Gee, IT., et al. (2019). Effectiveness of Whey Protein Hydrolysate and Milk-Based Formulated Drinks on Recovery of Strength and Power Following Acute Resistance Exercise. Human Kinetics. University of Lincoln.