ロバートフック(1665)がコルク片を自作の顕微鏡で観察し、小さな小部屋(cell)からなることを発見し、「細胞」と名付けた。

その後、19世紀に入ると顕微鏡が発達し、シュライデン(1839)とシュワン(1839)が、それぞれ植物と動物について細胞を観察し、「植物、動物ともに、細胞を基本単位としてできている」と結論づけた。

細胞の大きさを測るときには、μm(マイクロメートル)という単位を使う。1μm=0.001mmとなる。

細胞膜は、脂質二重層と呼ばれる、リン脂質が二重に並んだ薄い壁で覆われている。この壁は、酸素分子や二酸化炭素分子などの小さな分子が通ることができる。

脂質二重層でできた細胞膜には:

  • 特定のイオン(カリウムイオンやナトリウムイオンなど)が通るための通路であるチャネル
  • 糖やアミノ酸などを細胞内に取り込むためにエネルギーを使って働く輸送体
  • ホルモンなどを通じて細胞の外側からの情報を受け取るための場所である受容体(ホルモン受容体)

など各々の役割を持つタンパク質が存在する。

細胞膜は細胞内の環境を細胞外から隔て、一定に保つためのバリアーのような役割を受け持っている。酸素や二酸化炭素は、分子が小さいだけでなく、水溶性・脂溶性どちらの性質も持つため、脂質でできている細胞膜を通過することができる。

輸送体に関しては、グルコースやアミノ酸などの栄養素だけでなく、ナトリウムやカリウムなどのイオンを輸送する輸送体もある。この場合、濃度勾配に逆らって(浸透圧に逆らって)ナトリウムイオンを細胞外に汲み出し、再簿外のカリウムイオンを細胞外に取り入れる。濃度勾配に逆らうためにはエネルギーを必要とする。

核膜に包まれた核は、通常1つの細胞に1つだけ存在し、染色体を46本持つ。染色体にはXとYがあり、2本で1セットの染色体は、合計で23セットある。23セット目のみ、女性と男性で組み合わせが異なる。

染色体は、長いヒモ状のDNAgがヒストンと呼ばれるタンパク質に巻きつきながら、細く折りたたまれてできている。

リボソームは核から送られてきたDNAの情報(mRNA)に従って、タンパク質を合成する。

ミトコンドリアは、酸素を使って炭水化物などを分解し、ATP(エネルギーの元)を生成する役割を持っている。

小胞体には、粗面小胞体と、滑面小胞体が存在している。粗面小胞体にはリボソームが付着しており、リボソームで合成されたタンパク質の輸送に関与する。滑面小胞体は、リボソームが付着しておらず、脂質の合成・代謝に関与している。

イオンの周りの電子を引きつける力を、電気陰性度という。酸素原子は水素原子に比べて電気陰性度はが高いため、酸素原子が共有している電子を引きつける。そのため、水となって結合している酸素原子と水素原子は、それぞれマイナスの電気がやや多い状態(δ−)と、プラスの電気がやや多い状態(δ−)の2つの特性に分かれている。

水分子のように、1つの分子の中にプラスとマイナスの両方の電気が存在する分子を極性分子と呼ぶ。

逆に、メタン分子(CH4)は、炭素原子と水素原子の電気陰性度の間に差がほとんどないため、電子に偏りがなく、非極性分子と呼ばれる。

極性分子である水は他の極性分子である、砂糖、食塩、水溶性ビタミン(親水性物質)などを溶かしやすく、非極性分子である油は、他の非極性分子である脂溶性ビタミンやコレステロールを溶かしやすい性質を持つ。

また、水分子はプラスとマイナスの電気を帯びているため、周りの水分子と引き合おうとし、水分子は数個〜数十個のクラスター(集合体)を形成する。そのため、分子量が比較的小さいにも関わらず、水分子は常温で液体で存在することができる。

人間の中には60〜80%の水分が含まれている(年齢に比例して水分量は少なくなる)が、体内に水分が多い理由として、水分が比熱が高く、体温を一定に保ちやすいこと、物質の輸送に適していることがあげられる。

人の生体内の水は、細胞内液と細胞外液でおおよそ2:1の割合で存在している。

生体内の水の働きは:

  1. 生命活動の基本となる酵素反応の場を提供
  2. 栄養素や老廃物、ホルモンなどの運搬
  3. 体内の不要物の排泄
  4. 体温調節

などがある。

1日の水の摂取量は、排泄量と等しくなる様に調節されている。

1日2500mlの水を摂取すると考えると、飲料から約1200ml、食物中の水分から約1000ml、代謝水として約300mlそれぞれ摂取される。

代謝水とは、栄養素などが体内で反応した際に生成する水のことである。

  • 100gの炭水化物が燃焼すると、水が約55g生成
  • 100gの脂質が燃焼すると、水が約107g生成
  • 100gのタンパク質が燃焼すると、水が約41g生成

この様に、脂質>>炭水化物>タンパク質の順に、水が多く生成されます。

摂取した水が2500mlであれば、排泄量もおおよそ2500mlと同等になる。尿として約1500ml、皮膚からの不感蒸泄が約600ml、肺からの不感蒸泄が約300ml、糞便として約100mlそれぞれ排泄される。

不感蒸泄とは、皮膚の表面や吐息から体外に蒸発していく水分のことで、無意識で行われるため不感蒸泄と呼ばれる。