「ダイエットのためには脂っこいものを食べてはいけない…」「筋肉をつけるためには脂質を少なく抑えていなきゃ…」そんな風に思っている方も多いかもしれません。しかし、程度をわかって適切な脂質を選んで食べれば、トレーニングにも、脂肪を落とすのにも、強い味方になってくれるのが三大栄養素の一角である「脂質」なのです。この記事では、脂質の基礎から脂肪酸の重要性までを解説しています。

そもそも脂質とは?

どうも、健康オタクのプララです。

突然ですが、脂質って何なんでしょう?

「炭水化物と同様に、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3元素から構成される、水に溶けず(中略)有機溶剤に溶ける性質をもつ。エネルギー源、必須脂肪酸の供給源としてのはたらきのほかに、脂溶性ビタミンの吸収をよくするはたらきをもつ。水に溶けないため、体内で単一に存在することができず、りん脂質やたんぱく質などと複合体をつくり、水に可視化されている場合が多い。

生活学Naviより

少し言い回しが堅いですが、簡単にまとめると、

  1. 水に溶けない
  2. 有機溶剤(上記の3元素を含むアルコールなどの液体のこと)に溶ける
  3. 身体のエネルギーになる
  4. 必須脂肪酸を供給する
  5. 脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収率をアップさせる
  6. 体内では他の物質と結びついている

この記事では主に3、4、について話していきたいと思います。

トレーニング・ダイエットのエネルギー源

エネルギーは運動をする際にとても重要ですね。

文字通り脂質は炭水化物と同様にエネルギー源になります。炭水化物が(炭水化物の種類にもよりますが)比較的速く体に吸収され、エネルギーとして内臓系や筋肉に補充されます。

それに対し、脂質は体内に吸収され、エネルギーに変わるまで6時間ほどを要します。更に、体内に保管されている脂肪(いわゆる体脂肪)をエネルギーに変えるのには酸素を多く消費します[1]。

筋細胞を活発に動かすには常に酸素が必要ですから、脂肪のエネルギー変換に酸素を使われていると、運動の強度を落とす原因となるのです。

「じゃあ、脂質はエネルギー源として良くないのでは?」

そうとは一概には言えません。なぜなら、脂質をエネルギー源として利用するメリットもあるからです。

持久運動、長時間運動に有用

例えばマラソン選手や、持久力が求められるスポーツ(サッカーやバスケットボール)では、炭水化物の代わり脂質が優先的に消費されます。炭水化物は主に瞬発的な筋発揮に使われますが、上記のようなスポーツやランニングをする場合は脂質がエネルギー源となり、筋発揮の元となってくれます。

全体的なパフォーマンス向上

American Dietetic Associationの研究によると、アスリートが脂質を15%摂った場合と、20-25%摂った場合とでは、多くとったほうが運動パフォーマンスが高まる結果になりました[2]。

これより、脂質を控えすぎると運動における全体的な身体能力が下がってしまう可能性があります。糖質制限ダイエットをしている方、始めようとしている方も少なくないと思いますが、脂質は食事のバランスを考えて適切に摂るほうが良いでしょう。

必須脂肪酸の血管拡張・脂肪燃焼作用

脂肪酸は結合してできており、それがエネルギーに変わるときに分解されます。

「脂肪酸」というのは、「脂肪を構成する有機酸」という定義が成されていますが、基本的に人間の体内で他の糖類やたんぱく質と結びついてエネルギー供給とホルモンの構成を行うものです。

必須脂肪酸というのは、脂肪酸の中でも人体では合成できないものの事を言います。つまりは、食事から取り入れなければならない栄養、ということですね。必須脂肪酸には大きく分けて二つ種類があります。

  • n-6系脂肪酸(オメガ6)→リノール酸(アラキドン酸)             
  • n-3系脂肪酸(オメガ3)→α-リノレン酸(DHA、EPA)

DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(ドコサヘキサエン酸)はどちらも青魚に豊富に含まれている事で有名ですので、聞いたことがある方も多いかと思います。

これらの脂肪酸は体内でプロスタグランジンと呼ばれるホルモンや神経伝達物質の働きをコントロールする生理活性物質を生成します。

プロスタグランジンは人体の成長、調整に非常に貢献する物質で、血圧、血糖値、コレステロール値の降下、血流改善、血管拡張、気管支拡張など、人体へのメリットが多いのです。

トレーニングにおいては血管系に関与して、筋力の向上が望めますし、ダイエットにおいては血糖値の調整をして脂肪を溜まりにくくしてくれます。

上記のオメガ6とオメガ3の割合としては4:1が理想とされています。しかし、普段の食事からオメガ3はあまり摂れず、オメガ6だけを多量に摂取している人が多くいるようです。実際、日本人の平均的な摂取量の割合は、10:1と規定量を多く上回っています。

手軽にオメガ3を摂取する方法としては、サプリメントで栄養を補助してあげる事がおすすめです。AmazonやiHerbといったサイトで検索をかけてみれば、それなりに安いものが手に入ります。

まとめ

今回は脂質について少々話しましたが、多少は脂質の有用性を理解していただけたでしょうか。要点をまとめると…

  • 脂質は持久・耐久トレーニングにおいてエネルギー源となる
  • 運動パフォーマンスを向上させる
  • 必須脂肪酸(オメガ6・3)の源で、プロスタグランジンを生成し、体の機能を向上させる

トレーニングやダイエットもそうですが、人生を健やかに過ごそうと考えるなら、脂質は生活に欠かせないものです。摂りすぎず、摂らなさすぎず、上手くバランスを保ってより良い身体を作りましょう。

また、今回紹介した脂質を沢山摂って、炭水化物をほとんど摂取しないケトジェニックダイエットも近年有名になっています。ケトジェニックダイエットにおいては脂肪酸のバランス等に気を払う必要がありますが、より多くの油がとれるダイエットです。詳しくは「ケトジェニックダイエットとは?」で説明しています。興味があれば参考にしてください。

参考文献

  1. Converting Fat to Energy—Fueling Your Body During Exercise . Verywellfit. Retrieved from https://www.verywellfit.com/sports-nutrition-how-fat-provides-energy-for-exercise-3120664.
  2. American Dietetic Association et al. (2000). Position of the American Dietetic Association, Dietitians of Canada, and the American College of Sports Medicine. Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics. 1000(12), 1543-1556. Retrieved from https:// jandonline.org/article/S0002-8223(00)00428-4/fulltext
  3. 生活学Navi 資料+成分表 2016 実教出版株式会社 ISBN: 978-4-407-33900-0