ボディビルディングの大会のために減量をしている人、脂肪を落として夏までにいい体にするためにダイエットしている人など、多くの人が減量やダイエットをする世の中になりましたが、痩せるためにはカロリー収支をマイナスにしなければいけません。
そのようにカロリーにギャップを作って長期間ダイエットを行なっていると、どうしてももっと食べたい、という欲が出てくることがあります。
そこで多くの人が行き着くのが「チートミール」という、1食だけカロリーの摂取量を増やして好きなものを食べていい時を作るものになります。
しかし、そんなチートミールを頻繁にしていては痩せるのが難しくなる一方です。
この記事では、そんなチートミールの役割・効果、また、「リフィードミール」と呼ばれるものとの違いも交えて、それぞれ説明していきます。
チートミールとリフィードミール
この記事を読んでくださっている方は、おそらくチートミールのことはある程度知っていると思いますが、リフィードミールがどのようなものかはあまり知らないかもしれません。
今回はそれぞれがどのようなものかを説明し、何が違うのかを理解してもらいたいと思います。
リフィードミールは代謝のリフレッシュ
- 炭水化物の摂取量+摂取カロリーアップ
- →代謝の維持、食欲抑制、グリコーゲン貯蔵
一般的にリフィードミールとは、ある程度の期間炭水化物量の低い食事を行なってカロリー制限をしている場合に、炭水化物の摂取量を一時的に多くしてカロリー摂取量を多くし、体の代謝(=消費カロリー)の維持を試みる方法です。
人によってリフィードミールの頻度は違いますが、4〜7日に一回、1日のうちに1、2回炭水化物の摂取量を増やす日を作ります。
例えばトレーニング後の食事に、追加で75gの糖質を摂取することで、300kcalのカロリー上昇を作ることができます。
ポイントは、しっかりと増やす炭水化物量とカロリー摂取量を計算して、どの程度自分に必要なのかを決め、代謝をコントロールすることにあります。
ダイエット中にある程度の摂取カロリーを維持するために
例えば、1日2500kcalでダイエットをある程度の期間続けていて、体重が減らなくなった、という状況なら、さらに摂取カロリーを減らすことを考えると思います。
もちろん、それでカロリー収支にギャップをさらに加えることになるので、順当なアプローチだと思います。
さて、2500kcalから2200kcalほどに減らしたとして、またある程度の期間その摂取カロリーで過ごすとします。そうすると、体は2200kcalで過ごすことに慣れてきて、体の消費カロリーを減らす=代謝を落とします。
この体が摂取カロリーに慣れる期間は、人によってかなり違ってくるため、長期間2200kcalで体重を減らすことができる人もいれば、たった数日で体重の減少が停滞してしまう人もいます。
とにかく、どこかのポイントで体重の減少は停滞していまう可能性が高く、さらに摂取カロリーを減らすことになってしまいます。
しかし、いつまでも摂取カロリーを減らし続ければ、筋肉の減少だけでなく体の正常な機能すら果たせなくなってしまうため、ある程度の摂取カロリーは維持しなければいけません。
そこで導入するのが、リフィードミールです。
カロリーを増やして代謝が落ちるのを防ぐ
最初に書いたとおり、炭水化物の摂取量を一時的に多くしてカロリー摂取量を高くすることで、体に「しっかり食べてるから代謝を落とさないで!」という信号を送ることができます。
代謝が落ちることを防ぐことで、また同じ摂取カロリー(先ほどの例では2200kcal)に戻った時に、継続して脂肪を燃やし続けることが可能になるのです。
普通の科学で証明されているダイエットのメカニズムは、摂取カロリー<消費カロリーのはずですが、ここではカロリーを多く摂取しているにも関わらず、リフィードミールを摂取した翌日には体重が落ちている、ということになります。
それだけ人間の体で代謝の役割は大きく、それをうまくコントロールすることで減量・ダイエットを継続することができます。
他にもリフィードミールには、レプチン(食欲抑制ホルモン)の分泌を促進して食欲を抑えたり、炭水化物をより多く摂取することで筋肉にエネルギー(グリコーゲンとして)を貯蔵して、トレーニングのパフォーマンスを維持する効果があります。
チートミールは精神のリフレッシュ
- 好きなものを1食食べる
- →代謝を維持、精神のリフレッシュ
- 家族や友達との時間を大切にできる
チートミールはリフィードミールとは違い、正確な炭水化物や脂質の量は決めず、1食だけ好きなものを食べて、辛い減量中に精神のリフレッシュを試みる方法です。
ピザやハンバーガー、揚げ物やアイスクリームなど、人によって選ぶものは様々ですが、好きなものを摂取してカロリーの摂取量を増やすことがチートミールの特徴です。
チートミールとリフィードミールは違うと書きましたが、カロリーの摂取量を増やす以上、チートミールも同様に代謝を維持する効果はあります。
しかし、それ以上にチートミールが効果的であるのは、精神的にきつい状態を長期間続けている人に対して、リラックス・リフレッシュ効果を与えてくれることにあります。
ダイエット・減量(特にコンテストなどに出場するためにハードに行なっている人)が全てロボットのように毎日同じ食事・同じカロリーを続けていけるわけではありません。
チートミールを例えば金曜日の夜に設定することで、その時がくるのをモチベーションに、辛いダイエットを1週間耐え忍ぶのも可能になる、という人もいるでしょう。
1日に5〜6食で1週間に35〜42食を食べている人であれば、そのうちの1食が少しカロリーが高いくらいでダイエットに大きな支障が出ることはほとんどないと思います(過剰なチートミールでなければ)。
減量中の家族・友人との繋がり・時間の維持
本当に正確に減量・ダイエットをしている人であれば、確実に家族や友達と一緒に食事をしたり、共に時間を過ごすことができなくなってくると思います。
当然同じ食事をすることはできない上に、疲労感・倦怠感、タイトなスケジュール、トレーニング、有酸素運動など、ストレスが溜まることで人間関係を保つことが少し難しくなることもあるでしょう。
しかし、人間関係、特に家族や大切な友人などの周囲にいて支えてくれている人との繋がりを無視することはできないと個人的に思います。
そんな時に、1週間に一回だけでも、大切な人と一緒に好きなものを食べることができる時間を作ることのできるチートミールは、非常に有益なものであると思います。
継続こそ大切、チートもリフィードも恐れることはない
チートミールとリフィードミールそれぞれに違いはありますが、両方ともカロリー摂取量を増やすことで代謝を維持し、減量の継続を行うことが最大の目的です。
ダイエットや減量をしている人は、大抵これらのチートやリフィードを怖がり、罪悪感に狩られるのが嫌で避ける傾向があるように思いますが、それほど怖がる必要もないと思います。
もし4ヶ月間ダイエットをしていて、その90%の痩せるための食事を継続して食べ続けることができているなら、残りの10%を精神的なリフレッシュや他の人との時間として使ったとしても良い結果を得ることができるはずです。
ですから、継続性と計画性と共にこれらのチートミール・リフィードミールを用いることで、ストレスをできるだけ貯めずにダイエット・減量を行うことが可能になるのです。